クリード 炎の宿敵 / Creed II

クリード 炎の宿敵 / Creed IIのレビュー・評価・感想

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クリード 炎の宿敵 / Creed II
9

ロッキーから受け継ぐクリードの闘い

ロッキーからクリードに受け継がれる。対戦相手はロッキーにも因縁のあるアポロを殺したドラゴの息子。彼が次に対するクリードの宿敵になる。
楽しみなのが前作と今回の作品のつながりで、老いたロッキーがクリードを指導し、同時にドラゴ親子も必死の思いで、ここまでのし上がってきたためどちらも負けることが許さない一戦になる。パワー重視のドラゴの息子にどう挑むのか、クリードは接近戦を主に練習を重ねる。撃ち合っても負けない身体作りとパワーアップを目指して練習を積んで、クリードは凄まじい肉体になっていく。
闘いの一戦を前に両軍、気持ちと気持ちがぶつかり合い、どちらも絶対に負けない思いを胸に死闘が始まった。1ラウンド目から突っ込んで行くクリード、ドラゴの息子も真っ向から打ち合いに挑み試合開始から熱戦に入る。徐々に打ち合いを制したのはドラゴの息子だった。最初にクリードがダウンしてしまい、立ち上がるがまたもダウン。もう負けたかと思いきやクリードはロッキーのように何度でも立ち上がる。そしてクリードのパンチがドラゴの息子にヒット。
ここぞとばかりにラッシュをかけるクリードに、ついにドラゴの息子が初のダウン。勝負は決まったかと思ったがドラゴの息子も負けないとばかりに立ち上がる。そしてクリードも何度、倒れても立ち上がる。
勝負はどちらになるのか。他にも見どころ満載のクリードの最新作。是非、観てください。

クリード 炎の宿敵 / Creed II
8

オールド「ロッキー」ファンはもちろん、「ロッキー」を知らない世代でも楽しめるボクシング映画

ロッキーのライバルだったアポロ・クリードの息子アドニス・クリードが、ロッキーの宿敵だった旧ソ連のイワン・ドラゴの息子と対決するといういかにもB級映画っぽい設定。
オールド「ロッキー」ファンとしてはそれほど大きな期待はしていなかったのだが、いい意味で裏切られた。ボクシングが題材ではあるものの、アドニスとその妻(および母)、ロッキー、ドラゴ親子がそれぞれ抱える寂しさや親になるプレッシャー、自分たちを捨てた妻(母)へのやるせない思いといった屈折した感情が良く描かれており、年配の人であればロッキーに、若者であればアドニスに、そして妻や上司に鬱屈した感情を持ちつつも毎日頑張っている中年男性はきっとドラゴ親子に、それぞれ感情移入できるようなヒューマンドラマになっている。もちろん厳しい特訓に耐えてついには宿敵を打ち負かすといったロッキーのお決まりのパターンは踏襲しているものの、それがすべての映画ではない。セコンドであるロッキーはもはや妻を失った孤独な老人で、最後宿敵を打ち負かしたアドニスに「お前の時代だ」とエールを送る脇役でしかないが、最後には息子と孫の家を訪ねてよりを戻し、老後の幸せが暗示されているのはオールドファンとしてはほっとする。

クリード 炎の宿敵 / Creed II
10

真の「ロッキー・ザ・ファイナル」

非常に素晴らしい映画だった。例のBGMが流れるところなんて前作に引き続き鳥肌が立つ。この映画はBGM使うべきところがわかってるなーって感じだ。

前作で世界チャンピオンになれなかったアドニスが世界チャンプとなることからこの物語は始まる。
そこへかつて自分の父を殺したドラゴが息子を育て上げ、アドニスに挑戦をするというのが主なあらすじだ。

この映画の主役は紛れもなくアドニスだが、ロッキーの物語だったとも言える。
友人の死、息子との別離。ロッキーはとにかく過去に後悔を背負い続けている。
しかし、これらの問題は今作で何らかの決着が付き、ロッキーは過去のしがらみから開放されることになる。

しかし、見方を変えればこれでロッキーが映画に出る必要がなくなったとも言える。
過去の精算をすべて果たしたロッキーはもうクリードの映画に出る意味がだいぶ薄れてしまったからだ。
確かにセコンド兼トレーナーとしての役目はまだ残っているだろう。
しかし、主役はアドニスだ。ロッキーが出る幕はもう殆どない。もし次回作が出るのなら、アドニスが巣立つお話になるのかもしれない。

あえて不満点を付け足すなら、前作のような感じに初登場時に戦績とかを表示させてほしかったなーとは思う。あの演出かっこよかったし。