アンチRPGの礎・もう勇者しない!
ラブデリックが開発し、アスキーから発売されたプレイステーション用のゲームソフトなのですが、最近ニンテンドースウィッチで完全移植版のダウンロード専用ソフトとして発売されたことで再び話題に上がりました。
このゲームを知ったのは、ニコニコ動画で配信されたゲーム実況なのですが、このゲームに出会えたことに本当に心のそこから感謝しています。
ゲームをする人なら何度も何度も倒してきた敵を思い返します。レベルを上げるための作業によって葬られた数々のモンスターたち。このmoonというゲームは、そんなRPGの根底を覆し、疑問を投げかけるゲームといっても過言ではありません。
勇者によって倒されたモンスターたちを蘇らせることにより物語は進んでいくのですが、モンスターたちのキャラクターデザインはもちろん、登場人物みんながそのゲームの中で生き生きと、そして懸命に自分の物語を生きています。
私が何より面白いと感じたのは、主人公自ら何らかの行動を起こさないと、BGMすらかからないところです。能動的に、そして気ままにゲームの中を旅していると、このゲームは何を伝えたいのか、どう楽しんでほしいのかが少しずつわかっていきます。
ラストの選択一つで、衝撃的な真実にたどり着き、またもう一度あの世界を旅したいときっと思うと思います。普通のRPGにちょっと飽きてきたなと思う人は、moonをプレイするとまた違ったゲームとの向き合い方が見えてくるかもしれません。