もう、勇者しない。
今でもプレミア価格で取引きされている、知る人ぞ知るゲーム、「moon」。
なぜこんなにも長い間、たくさんの人から愛されているのでしょうか?その理由は、やはり「ストーリー性」にあると思います。まるで絵本を読んでいるかのような気持ちにさせてくれるこのゲームは、今までのRPGとは違った魅力があります。
悪いモンスターを倒す英雄であるはずの"勇者"が、町で暴走したり、罪のないモンスター(動物)たちを次々と殺していきます。プレイヤーはそんなモンスターたちの魂を救い、「ラブ」を集めてレベルアップしていきます。
一見、闘いのないほのぼのとしたストーリーに見えますが、ムーンワールドと呼ばれるこの世界には誰も気づかない真実があります。
プレイヤーは町の住人たちと少しずつ関わりながら、そしてモンスターたちの魂を救出しながらラブを集め、勇者を追っていきます。ストーリーを進めるごとにムーンワールドや宇宙のこと、そして愛のことを知り、段々と"真のエンディング"を見るためのヒントを掴んでいきます。
そして最大の見せ場はエンディング時の選択です。
住人たちの声に耳を傾け、ムーンワールドの真実に気づき、ゲームで手に入れた以上のラブがプレイヤーの心にあれば真のエンディングにたどり着けるはずです。
このエンディングにたどり着いたとき、キャラクターたちへの愛しさと、彼らの行く末の切なさで胸がいっぱいになります。
やり込み要素も多数ありながら、ストーリーの奥深さとはっとさせるエンディングに心を揺さぶられました。ぜひともプレイしてほしい作品です。