日日是好日

日日是好日

『日日是好日』とは、森下典子の自伝エッセイを大森立嗣が監督した2018年公開の日本映画である。主演の典子役を黒木華、典子と一緒にお茶を習う従姉妹の美智子役を多部未華子、そして茶道の武田先生役を樹木希林が演じた。二十歳の典子は母の勧めで、従姉妹の美智子と近くの茶道教室に通う。茶室に掲げてある「日日是好日」の書の額。茶道を習いながら、就職に挫折、失恋、別れなどを経験をした典子は、二十四年経ってその書の本当の意味を感じる。茶道を通して語られる典子の成長物語でもあり、その体験は精神の大冒険でもある。

日日是好日のレビュー・評価・感想

日日是好日
7

茶道って知らなかった。

茶道って全然知らなかったので、その所作を教える場面がとてもおもしろかったです。ここをこう持ってこうみたいな、わかんないわよって感じだけど、うまく決まると綺麗だし、一つ一つ意味があるんだよなと思いました。それに結構長いスパンの話だから、プライベートでも茶道においてもいろいろあって、人生は大変だよなと感じました。一度茶道に嫌気がさしたりしていて、趣味とかって一度飽きるときがあるっていうか、そこを越えたらほんとの趣味になるのかもしれないなと思いました。
主演の黒木華さんは若く見え、年に見えるからこの役ぴったりですね。最初の何をしたいのかわからない感も良かったと思います。そして、茶道の先生役の樹木希林さんがいいです。やはり、彼女の雰囲気はたまらないです。着物もすごく似合うし、茶道の先生にしか見えませんでした。このハマる感じが樹木希林さんのすばらしいところですね。下町のおばちゃんのように見える時もあるのにすごいです。
何か、派手なことがおきたわけではありませんが、若い2人の掛け合いも楽しげでいいし、茶道の先生もすごく素敵だし、素敵な映画でした。茶道というものに興味も湧きました。一度、茶道に触れてみたいなと思わせてくれる作品でした。

日日是好日
9

穏やかな気分になる映画

空腹時に観るのは危険、終わったら和菓子が何故かむしょうに食べたくなるかもしれないからです。
この映画にはワクワクするような衝撃、ストーリーはあまり期待しない方がいいかと思います。そういう意味では人を選ぶ作品かなあと思います。
一人の女性が青春から人生の中堅に差し掛かるまでの二十年の時間を切り取って丁寧に丁寧に描写しています。そしてそんな主人公のそばにはお茶、茶道の存在がそっと寄り添っています。
黒木華演じる主人公の女性はあまり個性があると言えず、どこか周りに埋没してしまうような地味な女の子。お茶だって、両親のすすめと、多部未華子演じる従姉妹の勢いに押されるようにして何となく始めてしまった感じ。スタートがそんな感じ故に主人公がお茶に知らずしらずのうちに惹かれていき、生活の一部となり、なくてはならない存在になっていくのがゆっくりと伝わってきました。
特筆すべきは、公開時期に亡くなった故に一層意味深いものとなった、お茶の先生役である樹木希林の存在!茶道を少しでも習った人間なら誰でも居る居るこんな先生!と言ってしまうくらいそのものでした。この女優さんは本当に素晴らしい。悩める主人公を時に導き、寄り添い、後押しするお茶という存在、お茶を習う人が増えたなんて話を聞くと、この映画の存在を思い出してしまいました。

日日是好日
7

「頑張りすぎてしまう」「日々がパターン化して面白くない」といった方にオススメです。

この映画を鑑賞して、季節の移り変わりやお茶菓子の模様、柄杓でお湯を汲む音など、ちょっとした出来事に目を向けることで、日々が楽しくなることに気づきます。
私も主人公と同じように、ついつい感じ取ることを忘れてしまい、身の回りで起こることに対して頭で考え込んでしまいます。周りで起こる小さなことを感じ取るだけで、特別大きな行動を起こさなくても、毎日が良い日だと思えることをこの映画から学びました。今後の生活に生かしていきたいです。
茶道の先生が「教わろうと気を張らなくても、お茶を飲みに行こうと思えばいいのよ」と主人公に伝えているシーンが心にじーんときました。私も習い事をしていまして、習い事の時間はついつい学ぼうと気合いを入れて臨んでしまいます。茶道の先生の言葉は、そんな私の心をほぐしてくれる言葉でした。習得しようと思わなくても、通い続けることで自然と身についていくことをこの映画から学びました。「頑張りすぎてしまう」「日々がパターン化して面白くない」といった悩みを抱えている方に、この映画を鑑賞して欲しいです。きっと、この映画を鑑賞することで、特に自分に負荷をかけなくても、楽しく毎日を過ごすことができることに気づくと思います。