INSIDE

INSIDE

『INSIDE』とは、Playdeadにより開発されたパズルプラットフォーマーゲーム。2016年にPS4とPC版、2018年にSwitch版が配信された。日本ゲーム大賞2017でゲームデザイナーズ大賞を受賞し、他にも数々のアワードを受賞している。
ゲーム内にはストーリーの説明はおろかセリフやテキスト文といったものが一切存在せず、ほぼモノクロな世界で背景のアートや道中の出来事への解釈は完全にプレイヤーに委ねられている。
操作は非常に簡単だが、道中の謎解きギミックは多様性がありレベルが高い。

INSIDEのレビュー・評価・感想

INSIDE
8

突然一人放り出された世界で、全てが自分の命を脅かす、何もわからないという恐怖

ジャンルは横スクロールアクションアドベンチャーゲーム。
難易度はかなり高く、初見で命を一度も落とさずクリアすることは不可能と思われます。

ゲームは、少年が崖を滑り降りて着地したところから始まります。
プレイヤーは、何の説明もなく始まるこのゲームで、とりあえず今できる数少ないことを探すことになります。
初めにできるのは右へ進むことだけです。

すぐに、停車しようとするトラックを見かけることになりますが、ヘッドライトに少年が照らされると、大人たちは少年に気づき即座に発砲、ゲームオーバーです。
少年は攻撃手段を持たないため、見つからないか、急いで逃げ切らなければなりません。

そんな理不尽な状況に加え、道中では自我を持たない抜け殻のような人々を見かけたり、時には少年がそれを操ったり、少年と似た見た目の敵に襲われることもあります。
それら不気味なことがたくさんあるにも関わらず、やはりプレイヤーへは何の説明もなく、ゲーム中にはテキストや言葉も登場しません。
「何もわからない」と言うのは想像以上の恐怖です。

単純に理不尽レベルな高難易度アクションゲームとして楽しむこともできますが、数少ない情報から考察したり、誰かの考察を知るのが好きな方には強くお勧めしたいゲームです。
実際に、このゲームに対する考察は多くの方がブログや動画で公開しています。

衝撃で難解なラスト、さらに困惑を覚えるであろう隠しエンディングは、穴のない考察を得意とする人たちですら意見が割れています。

INSIDE
5

キャラクターを操作して、ゲームクリアだけが楽しみではないゲーム「INSIDE」

常に不気味な雰囲気が漂う世界観で、一人の少年を操作していく単純なゲーム。
一見味気のないゲームのように感じるが、キャラクターの表情、セリフ、BGMなどはなく、ただ足音や、かすかな物音がするだけのこの世界で少年は何を目的に進んでいくのかもわからずにゲームは進んでいく、その不気味さがプレイヤーの想像力を掻き立てる。

プレイしていくにつれて、何となくの世界観や、どういった目的をもってキャラクターたちが行動をとっているのかが、かすかに見えてくる。
意思をなくしたような人間が棒立ちしていたり、仮面をつけた人がその人たちを連れて行ったり、テストにかけていたり、水中でいきなり髪の長い女のようなモノに追われたり。少しづつではあるが、何となくの世界観はストーリーが進むにつれてわかってくる。
だがストーリーも終盤になるとますます謎の世界観は強くなる。ましてやエンディングを迎えても少年が何をしたかったのか、あの仮面をつけた人たちは何だったのか、なぜ意思をなくしたような人間がいたのか、あの髪の長い女のようなモノは何だったのか。理解に苦しむようなエンディングが待ち受けている。
一応隠しエンディングがあるが、まずもってチュートリアルすら存在しないこのゲーム。敵?キャラから逃げる間に隠しエンディング開放の要素があったりするため、完全に初見プレイでは絶対に気づけない。
それになにより隠しエンディングを見ることができたとしても、このゲームの目的などはゲームのほうからは一切の説明はない。

ゲーム側は明確な少年たちの目的は教えてくれないゲームだからこそ、プレイし終わってからのプレイヤーの考察、想像がこのゲームの醍醐味であると思う。
少年は何故、何を目的として行動していたのか、それはプレイヤーの考え次第でストーリーが変わるゲームだと感じました。