大統領の執事の涙

大統領の執事の涙

『大統領の執事の涙』(原題:Lee Daniels' The Butler)とは、2013年8月に公開されたアメリカの歴史ドラマ映画。日本では2014年2月に公開された。監督はリー・ダニエルズが務め、フォレスト・ウィテカーが主演を務めている。ホワイトハウスで大統領に仕えたアフリカ系アメリカ人の執事、スィーシル・ゲインズの視点から、彼の任期中に起こったアメリカの歴史的事件が描かれる。7人の大統領に仕えた実在の黒人執事の話がベースとなっている。

大統領の執事の涙のレビュー・評価・感想

大統領の執事の涙
9

自分の知らない世界を見ることが出来る作品

まず最初のシーンに衝撃を受けました。アメリカの黒人差別について、多少知ってはいましたが、実際にどんなことが日常的に行われていたのかを垣間見、しばらくショックでした。白人は黒人を人と思っていない、まるで犬のように気に入らなければ殺してしまえるなんて…どうしてこんなひどい人種差別が行われたのか、未だにどうしても理解できないところはありますが、歴史に刻まれた醜い事実を知るのは大事だと感じました。興味深いのは、そうした差別にあう人々の中でも考え方や感じ方、表現の違いがあり、それが道を切り開いて大きく広がり、結局一つの目的に到達する、ということを一つの家族を通して見れるところです。それがこの映画の深いところだと思います。執事になったバトラーは家族を持ち子供が生まれますが、息子の考え方を受け入れられず、価値観の違いが親子に長く確執をもたらしてしまい、同じ悲しみを背負っているのに分かり合えない感じはすごく切なくもどかしく感じました。とにかくとても考えさせられます。穏やかで芯の強い主人公の考え方、ふるまい方は人としてとても尊敬できます。それでも堅苦しい映画ではなく見ていて展開が早くあっという間の二時間です。もっとこんな作品があったらいいなと思います。

大統領の執事の涙
9

深く社会派的な映画

私は、この映画を某レンタルショップのヒューマンドラマ系列の棚から無作為に選びました。
最初に言っておくとこの映画は、素晴らしい、そして良く考えさせられる一品でした。
昔は、アクション系のジャンルがとにかく好きだった私は、最近映画が作り出す崇高な煌めきは役者、人間そのものにあると感じ始めました。一番その姿を捉えることができるのは、ヒューマンドラマそう感じるようになりました。そしてこの作品と出会い、まず思ったのが主人公である執事とその息子との心のすれ違いいわば対比の表現が心にぐっと来たといえます。

1960年代、人種差別が色濃く残っているアメリカにおいて黒人の扱いは、あまりにもひどいものだあった。その中で、ホワイトハウスでの執事を任された主人公は、大統領に仕える身となる。しかし、その彼の元で育った息子は、人権運動に参加するようになり、自らが父との差異を知りながら行動していくこととなる。やがて、家族は、バラバラになっていく。

この映画は、深く社会派な映画であるといいましたが、本当にその通りです。現代社会ではあまり触れることのできない、思い。社会への訴え、この執事が流した涙には、計り知れないほど多くの思いが含まれている。涙の訳を、知りたいなぜ?気になる方は、今すぐ行くしかないこの映画に出会うために。