ニューヨーク・ニューヨーク

ニューヨーク・ニューヨークのレビュー・評価・感想

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ニューヨーク・ニューヨーク
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ニューヨークの夜のドラマをジャズ・サックスを背景にオシャレに描く『ニューヨーク・ニューヨーク』

『ニューヨーク・ニューヨーク』は、1977年の米国の音楽劇映画です。監督はマーチン・スコセッシ、脚本はマーディック・マーチンとアール・マック・ラウチで、原作はラウチの小説です。この作品はジョン・カンダーやフレッド・エブの新作音楽、ジャズのスタンダードを配した、スコセッシの故郷ニューヨークへのトリビュートであり、主演はロバート・デニーロとライザ・ミネリ。2人は音楽家とその恋人を演じています。ストーリーでは先ず、ジャズのサックス奏者(デニーロ)とポップ歌手(ミネリ)が恋に落ちて結婚するまでが描かれて、その後サックス奏者の怒りっぽい性格が故に、2人の関係は緊張し続け、子どもができた後で、結婚生活が暗礁に乗り上げます。最終的に2人のキャリアは別々の道を歩むことを示唆します。
1945年の対日戦勝利の夜、ニューヨーク市のナイトクラブでは大規模な祝賀会が開かれていて、音楽を奏でるのはトミー・ドルセイ楽団。自分勝手で一方的に話しまくるサックス奏者のジミー・ドイル(デニーロ)が歌手フランシーヌ・エバンス(ミネリ)と出会います。フランシーヌは寂しがり屋なのですが、ジミーとは特別な関係にはなりたくなかったのですが…

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多才な羅川真里茂

初めて羅川真里茂さんの作品に出会ったのは「赤ちゃんと僕」でした。最初はありきたりな日常を書いたほんわかしたストーリーで、最後の方でやっと気づくのです。「この人この結末を予想して前のシーンを書いたのか」と。そこからだんだんハマりだし行き着いたのが「ニューヨーク・ニューヨーク」でした。羅川真里茂作品ながらそこまで知名度が大きくないのはおそらくジャンルが違うからかもしれません。「赤ちゃんと僕」でもごくごく稀に深い話はありましたが、おすすめの上記の本はテーマが重たいです。セクシャル面の事から犯罪についてまで。絵は同じなのにストーリーの訴えかける部分が全く違います。性を越えた恋愛の難しさや命の尊さ、家族になる意味。登場人物の人生を描いたような作品でした。私の偏見なのかもしれませんが。とてもそんな漫画を書く作者だとは思わずに安易な気持ちで購入し全部読み終わったあとは自然と涙がこぼれていたのを覚えています。なぜかと聞いても分からないけど心を動かされた漫画でした。そこからはこの本が私の人生で一番好きな本に上がりますがなかなか作品名は知っていても中身は知らない人が多いのが残念です。色々な人に読んでもらってこれからの人生の違う視点で歩めるようになっていけるといいなと密かに思いました。

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あのララランドもオマージュした作品「ニューヨークニュヨーク」

ミュージカルは好きでいろいろ見ていますが、自分にはララランドはただのオマージュの詰め合わせで、いい部分をはしょってるので、オマージュされた映画のファンはがっかりでしょうね。
オマージュされた作品で一番おすすめは、アメリカ版「ニューヨークニューヨーク」です。アメリカ版と書いたのはこの作品もオマージュ作品で同名作品があるからです。
主役はあのロバートデニーロ(まだ若いです)タクシードライバーの次の作品です。
この映画の1番のおすすめポイントは、ラストがアンハッピーなとこです。恋愛映画のアンハッピーは他にもあるでしょうが、これは、天国と地獄の両面があるんです。主演の男女2人とも仕事では夢がかなって大成功をするんです。女性は映画スター、男性はジャズバーのマスターをしながらジャズ音楽で有名なること。しかし、恋愛だけは、成就しない。ラストシーンで、数年ぶりにもかかわらず、いつものように、強引に男が会いに行く。女性は一瞬喜んでしまう。しかしその場は女性の映画が大成功してその発表があったお祝いの席。仕事上では最高にうれしいシーン。
男は外で待つからこれからのことゆっくり話そうと。女性はいそいそと嬉しそうに出口に向かうが。そのドアの上には非常口の看板がありそこには「出口」の文字が。そう出口。彼と別れて夢をつかんで、いま絶好調。とても幸せ。でも今でも彼を愛してることに気が付いたが…そして「出口」の文字が目に焼き付いて…。
やがて外はどしゃぶりの雨になり、夕暮れにガス灯のあかりが。ばっちり決め込んだスーツがびしょ濡れだがやがて、男はステッキを軽くふりながら、歩き始めた。一瞬うっすら笑ったような。どこからともなく2人の記念のあの曲が。残ったのは雨の音と彼の歩く靴音だけだった。