15時17分、パリ行き / The 15:17 to Paris

15時17分、パリ行き / The 15:17 to Paris

『15時17分、パリ行き(The 15:17 to Paris)』とは、2018年にアメリカで公開された映画である。2015年に起きた高速鉄道内での銃乱射事件を題材に、事件に立ち向かったスペンサー・ストーン、アンソニー・サドラー、アレク・スカラトスの3人の青年を描く。メインキャラクターの3人の青年は、実際に事件に遭った当事者が演じた。

15時17分、パリ行き / The 15:17 to Parisのレビュー・評価・感想

15時17分、パリ行き / The 15:17 to Paris
9

「置かれた場所で咲きなさい」

巨匠クリント・シーストウッドの作品。
予告編を見たときから「これは絶対に面白いに決まっている」と思っていたが、予想を遥かに超えた作品でした。
2015年にフランスで起きたテロ事件に立ち向かった3人は、なぜ犯人に立ち向かい、そしてテロを防げることができたのか。その過程を、幼少期の彼らが出会った所から物語は始まります。
個人的に一番気に入ったのは、主人公の一人でもあるアンソニー・サドラー。彼は人を救う仕事をしたいと思い軍隊へと志願しましたが、結局は自分の思う部隊に合格する事はなく、防衛手段と救急を学ぶ事となります。自分がしたかったのはこんなことではないと、彼は訓練に身が入りませんでした。しかし、友人たち3人とのヨーロッパ旅行でパリへ行く列車の中で、彼は果敢にもテロリストに立ち向かい、その際にテロリストに打たれて怪我をしてしまった男性に緊急処置を施し、無事に命を救うことができたのです。彼と、そして友人二人で列車の乗客全員の命を救う事が出来ました。

自分が望んでいた道では無かったけども、彼は自分の人生で培った知識とスキル、そして勇気で
「人の命を救いたい」という小さい頃から抱いていた夢を叶う事が出来たのです。
以前に 渡辺和子さんの著書で、このようなタイトルがありました。「置かれた場所で咲きなさい」まさにこの映画は、この言葉通りだと思います。

15時17分、パリ行き / The 15:17 to Paris
9

最後に感動が…

映画を見る前はCMなどで流れているテロリストとの戦うシーンが多いのかと思っていました。しかし、実際は3人の主人公の子供時代からの生い立ちにフォーカスを当てている作品です。
テロリストとの戦いだけを中心に映画を作ると観客にこの物語の大切な部分が伝わらないという意味でか、子供時代からの3人の関係性をメインに構成されていると思います。
その点ではやはりクリント・イーストウッドは偉大な映画監督だと感心しました。しかし、友達は戦闘シーンが中心だと思っていて残念だと肩を落としていました。ここは意見が分かれると思います。個人的にはいいと思うのですが…
また、この映画の戦闘シーンはかなりグロテスクな部分が多いです。首をナイフで切られたりして流血したりしてます。苦手な人は気をつけた方がいいと思います。ですがその分リアルで見ていても緊張して体が熱くなりました
そしてこの映画は最後の最後に観客の心を掴んできます。それまでの子供時代の物語が全て繋がりグッとくるものがありました。
この映画は失敗して学んだことが後々生きてくるという部分もあるので、今悩んでいる人や失敗してしまい落ち込んでいる人に是非見てもらいたいです。初めてもう一度見に行きたいと思う作品でした。

15時17分、パリ行き / The 15:17 to Paris
10

結末が気になる作品

先日3月1日より日本でも公開された「15時17分、パリ行き」ですが、あのイースト・クリントウッド監督の最新作です。
こちらは実話をもとに製作されており、実際に映画に出演されている主人公の幼馴染3組を本人です。監督の名をみて、誰もが出演したいと思うはずですが、有名な俳優・女優を起用することもなく、本人出演という形も、ほかの作品をみてもあまりなく、とても斬新で新鮮な気持ちで見ることができました。本人出演でしか、表現できない空気感がとても良かったという印象です。
ストーリーとしては、幼馴染の3人組が成長過程で離れた時期もありましたが、再会しヨーロッパへ旅行へ行く最中に起こったテロに立ち向かうという流れです。
予告動画を観たら、誰もが結末はどうなったの?と気になります。私はこの作品を見て余韻で胸がドキドキしていました。クリント・イーストウッド監督の作品はこのように見終わってもドキドキしていて、余韻に浸ることがとても多いですが、今回の作品はテロを題材にしており、現在の現代社会でも考えるべき問題のひとつとして印象を与えることができるアプローチだと思いました。
ただ、「あの俳優がかっこよかった」「あの女優が可愛かった」というような薄っぺらい感想ではなく、言葉にできない感情になり、考えることもできる素晴らしい作品だと思います。