鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offerta

鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offerta

『鑑定士と顔のない依頼人』とは、ジェフリー・ラッシュが演じる、すご腕の美術品鑑定士だが、人嫌いで女性と縁のないヴァージルが姿を見せない謎めいた依頼人クレアに心惹かれていくミステリードラマ。
ヴァージルとクレアの恋の裏では、ヴァージルの長年のパートナーが用意周到に計画した復讐劇が進められていた。
「ニュー・シネマ・パラダイス」などを手がけたジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本による作品である。

鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offertaのレビュー・評価・感想

鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offerta
8

みんな敵だった。

冷静で頭がいいはずの老人が、とある女性に夢中になり…というラブロマンスも楽しめ、最後にはどんでん返しがあっておもしろかったです。なんかちょっと怪しいなと思える人もいたけど、まさかこの人も、この人もとみんな騙す側だったりして、なんともかわいそうな老人でした。ジェフリー・ラッシュはそんな老人を演じていて、最初の方は偏屈じじいに見えたし、中盤は恋するロマンスグレイだったし、最後は本当に魂が抜けて、こんなに年寄りだったんだって感じの顔になってました。でも、そうなったのも、自分にも悪いところがあったのではってところがミソで、自分も知らず知らずに人を傷つけてたってのがなんとも皮肉です。たしかにちょっと彼に対する態度はひどかったものなと後になって思いました。あと、鑑定士が主役だから、話の中でいろんな絵画とかすごい家具とかが出てきて、目の保養にもなりました。いつもは冷静で大人なのに、なんかすごいものを発見したかもと、友達?の修理屋とドキドキしながらロボットを作ったり、彼女をどうしたら喜ばせることができるだろうと服を買ったり子どもっぽいところもあったり、男ってそんなもんだよなってのが見てとれたのがおもしろかったです。

鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offerta
9

オチにびっくり

一流鑑定士のもとへ、ある日、広場恐怖症の女性から屋敷の物品の鑑定依頼が来て、、、という話です。
一流だか、女性と付き合ったことがなく、趣味といえば、友達と組んで、安く女性の絵画を集めることだったおじいちゃんが、小娘に惚れてしまうという話でした。
おじいちゃん役は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のバルボッサ役の俳優です。バルボッサも結構歳のいっている海賊でしたが、この映画の彼はさらに年寄りに見えます。そんなに歳だったのかという感じです。
人との関わりをあまりもってこなかった偏屈な感じとか、めちゃ若い女性に振り回されてキレるところとかとても上手いなあと思いました。それに顔がシワとか味があり、偏屈、不器用顔なので役に合っているなと思いました。彼が惚れる女性も広場恐怖症なので、着飾ってないし、そんな綺麗でもないんだけど、表情が少女のようでもあり、セクシーでもあり、惚れるのもわかるなあという感じでした。2人の不器用な恋模様は注目です。
他にもモテモテの修理屋とか女性の屋敷の使用人とか、カフェの人々とか脇を固める役者もなかなか個性的な面々でおもしろいです。オチがなかなかおもしろかったです。まさか、そういう話だったとは、、と思いました。