現実と夢を行き来する中で
監督であるウディ・アレンを好きになるきっかけとなった映画。
主人公のギルが仕事を変えて、小説家になる事やパリに住むことへ憧れている一方で、現実では婚約者に私と結婚して、家を買って安定した仕事をずっとしていろと言われる。おまけに気の合わない彼女の家族と友達たち。そんなギルは突然過去にタイムスリップができるようになり、自分の大好きな芸術家に会い、また恋をする。否定してくる現代の恋人たちとは違い、自分の憧れの彼らはギルを勇気づけ励まし応援してくれる。
こここそが居場所だと思うけれども、最終的にはやっぱり過去にいるわけにはいかないと気が付くギル。
「過去にいてもここが今になる、また別の時代がいいと思うようになる」
「現在ってものが不満なんだ、それが人生だから。」
これが私の大好きなセリフだ。しっかりと現実を受け止めて、自分で悔いの無いように自分の人生に責任を持って生きないといけないと改めて気がつかされた。
現代には同じような悩みを抱えている人がたくさんいると思う。自分がやりたい事よりも、安定した暮らしを選択すべき、失敗しても誰も助けないからね、と言う脅迫。そんな私たちに勇気を与えてくれる作品だと思う。
ストーリーはもちろんだが、ユーモア溢れるキャラクターたちや、パリの美しい景色、レトロな衣装どれも素敵だ。
落ち込んだり選択に迷った時は是非ともこの映画をみて自分を勇気づけて欲しい。