ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris

『ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)』とは、2011年に公開されたアメリカ映画である。ハリウッドの売れっ子脚本家でありながら小説家を目指す主人公・ギルは、旅行で訪れたパリに魅了され移住を考える。しかし婚約者のイネズはパリに関心を示さず、2人の心が徐々にすれ違っていく。監督・脚本を務めたウディ・アレンは、第84回アカデミー賞脚本賞を受賞した。

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Parisのレビュー・評価・感想

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris
8

現実と夢を行き来する中で

監督であるウディ・アレンを好きになるきっかけとなった映画。
主人公のギルが仕事を変えて、小説家になる事やパリに住むことへ憧れている一方で、現実では婚約者に私と結婚して、家を買って安定した仕事をずっとしていろと言われる。おまけに気の合わない彼女の家族と友達たち。そんなギルは突然過去にタイムスリップができるようになり、自分の大好きな芸術家に会い、また恋をする。否定してくる現代の恋人たちとは違い、自分の憧れの彼らはギルを勇気づけ励まし応援してくれる。
こここそが居場所だと思うけれども、最終的にはやっぱり過去にいるわけにはいかないと気が付くギル。
「過去にいてもここが今になる、また別の時代がいいと思うようになる」
「現在ってものが不満なんだ、それが人生だから。」
これが私の大好きなセリフだ。しっかりと現実を受け止めて、自分で悔いの無いように自分の人生に責任を持って生きないといけないと改めて気がつかされた。
現代には同じような悩みを抱えている人がたくさんいると思う。自分がやりたい事よりも、安定した暮らしを選択すべき、失敗しても誰も助けないからね、と言う脅迫。そんな私たちに勇気を与えてくれる作品だと思う。
ストーリーはもちろんだが、ユーモア溢れるキャラクターたちや、パリの美しい景色、レトロな衣装どれも素敵だ。
落ち込んだり選択に迷った時は是非ともこの映画をみて自分を勇気づけて欲しい。

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris
7

人生に広がりを与えてくれる

この映画はパリを舞台としている。
売れっ子脚本家の主人公のギル。ある時間になると現れる車に乗り、あるお店にたどり着く。
するとそこには自分のしっている過去の偉人たちがリアルな世界にいるではないか。
そう、彼が来たのは1920年代の時代。
そこには自分があこがれていた小説家のアーネスト・ヘミングウェイ。
そして画家のピカソや音楽家たち。
ギルはそんな偉人たちを前に立ち尽くし、信じられずにいた。
しかし、彼らは何食わぬ顔で友達のように話しかけてくる。
そうこうしているうちにギルは自分の書いた小説を見せるよう言われ、取りに一度家へ帰るのであった。
そしてまた例の時間に車の迎えがあり、同じように偉人たちに会いに行くのであった。
何度も現在と過去を行き来しそこである女性に出会ってしまう。
実在した人物ではないが、名をアドリアナという。
ギルは婚約者がいながらもアドリアナに恋をしてしまう。
同じくアドリアナもギルに想いを寄せる。
この二人の恋模様も映画を見るうえで楽しみの一つである。
そして舞台がパリということで、なんといっても映る景色や街並み、その雰囲気が何とも贅沢な映像となっている。
流れる音楽、行きかうカップル、夫婦。
この映画はまるでパリにいるかのような錯覚に陥る。
だからなのか、映画が終わった際にふとパリに行きたくなる思いがこみ上げてくる。
いつの日かパリに行ってみたいものだ。

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris
8

世界観が素敵

ウディ・アレン監督作品『ミッドナイト・イン・パリ』。冒頭から、ゆったりとした曲とうっとりとしてしまうほど美しいパリの街並みに心う奪われてしまいました。なかなか雰囲気があって、お洒落な映画です。こういうクラシックな雰囲気とパリの街並みはすごく相性がよく、わくわくします。主人公『ギル』は婚約者とパリにきていますが、なにやら噛み合ってない感じが「本当に婚約者?」と思ってしまいます。パリの街並みとはうってかわって、ロマンチックな雰囲気など感じられません。そんな中で、小説家を目指しているギルはある夜、酔っ払ってひとり街を歩いていると、なにやら車に乗った若者たちに声をかけられます。「これからパーティーに行くからこないか」と誘われ、そのままついていくと、そのパーティーでさまざまな人たちに出会うのです。その中に、ギルの憧れである『ヘミングウェイ』が出てきたり、『スコット・フィッツジェラルド』がいたりと、なにやら楽しいことに。黄金時代と言われた1920年代。華やかで、才気があふれんばかりの作家や芸術家でいっぱいの世界でした。ギルは、そのきらびやかで憧れた世界にどっぷり浸かってしまうのです。夢のような時間を過ごすと、いつも滞在先のホテルで目を覚ましてしまいます。こんな不思議な展開の繰り返し。夢と現実と、一緒になってさまよう感覚が良かったです。雨のパリは美しいですね。

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris
9

とにかく美しいパリ。文学好きだとなお楽しめそう。

パリが舞台になっているということで鑑賞。内容はとても興味深いです。1920年代を代表するスコット・フィッツジェラルドやアーネスト・ヘミングウェイなど、著名な作家陣が続々と登場し、それぞれちゃんと伝記に沿ったキャラクターになっているんじゃないかなと思います。
アメリカのとある映画脚本家が処女小説の執筆に奮闘しており、婚約者家族とのパリ旅行中に、ひょんなことから憧れの1920年代、いわゆるジャズ・エイジのパリにタイムスリップし、作家本人たちと交流を深めながら、原稿の推敲をしてもらったり、ある女性に恋心を抱いたり、いろんな体験を経て懐古主義である自分と向き合っていくような流れです。
現代に不満を抱き、過去に生まれたかったと言う主人公。しかしタイムスリップした先で恋に落ちた女性もまた、19世紀末から始まったベル・エポックの時代が一番美しく、その時代に生まれたかったと話します。
主人公であるギルは、結局どの時代に生きていても過去に思いを馳せて現代をなかなか受け入れることができない人がいるということに気づきました。
一緒に来ていた婚約者とは最初から何かと意見が合わず、最終的には婚約を破棄し、パリに残って生きていくことを決意した主人公でした。
ジャズ・エイジやベル・エポック、そして今のパリの美しさを余すことなく描いた作品で、話の展開もテンポが良い方だと思います。
美しいパリを観たい方、著名な作家陣の生活を垣間見たい方、文学好きの方などにおススメです。

ミッドナイト・イン・パリ / Midnight in Paris
8

独特の世界観に浸れる作品

主人公ギルは恋人のイネスとその両親と一緒にパリに訪れる。パリに住んで小説を描きたいと願うギルに対し、イネスとその両親は、「パリは旅行でくるところで住むべきところではない」と反対される。イネスの友人のポールに遭遇しディナーをともにする。その後ポールとイネスはパリの夜の街に消えてしまう。ギルは一人で夜のパリの街を散歩しながらホテルに向かう。その途中深夜12時の鐘が鳴り1920年代のパリにタイムスリップする。そこで歴史的芸術家のヘミングウェイやスコット・フィッツジェラルド、コールポーター等に遭遇する。その後夜が来る度に1920年代のパリにタイムスリップし、そこで出会ったアドリアナに恋をしてしまうが、婚約者がいるギルは悩んでしまう。しかし、シュルレアリスト(超現実主義)のサルバドール・ダリからは「それはごく自然なことだ」と言われてしまい頭を抱える。ギルの恋の行方と素晴らしいパリでの出来事はぜひ映画を見てみてください。
感想としては、イネスの友人のポールは典型的な、博識のナルシストで男性からは嫌われるタイプではないかと思われます。女性としてはポールのような男性はありかもですが。笑 そして、何と言ってもパリの街並みが綺麗。そして小雨の降るパリの景色の魅力がすごく素敵です。そして、ものすごくパリに行って見たくなる映画です。最後に登場するアレクサンダー3世橋なども素敵ですね。