妖怪アパートの幽雅な日常 / 妖アパ / Elegant Yokai Apartment Life

妖怪アパートの幽雅な日常 / 妖アパ / Elegant Yokai Apartment Life

「妖怪アパートの幽雅な日常」は「香月日輪」による小説作品。2003年から原作小説が発売し、全10巻。2017年に「シンエイ動画」製作でアニメ化。「あにめのめ」枠で放送された。親を亡くし親戚の家で暮らしていた主人公「稲葉 夕士」は、縁あって格安アパート「寿荘」へ入居する。そこは人間だけではなく、妖怪や幽霊も住んでいる妖怪アパートであった。

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妖怪アパートの幽雅な日常 / 妖アパ / Elegant Yokai Apartment Lifeのレビュー・評価・感想

妖怪アパートの幽雅な日常 / 妖アパ / Elegant Yokai Apartment Life
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様々な妖怪たちが楽しく暮らす妖怪アパートに夕士はなじむことができるのか

人ではないもの、妖怪、そして人間が同居するアパート。両親を亡くし親戚に引き取られて育った孤独な青年「稲葉夕士(いなば ゆうし)」は、高校進学で入居するはずだった寮が火事になってしまいしばらくの間、一人暮らしをすることになった。後ろ盾もない夕士と契約してくれる不動産業者は見つからず途方に暮れていると、小さい男の子がある不動産会社へ導いてくれた。その不動産業者が紹介してくれたのが、妖怪たちと人間が同居する妖怪アパートだった。

妖怪アパートでの暮らしも少しずつ慣れてきた夕士。中には本当に幽霊なのかと思うくらい、見た目は人間のようなものもいる。夕士は両親を亡くし、親戚の家に引き取られて生活していたこともあり、ごく当たり前の「普通」の暮らしがしたいと思っていた。高校を卒業したらサラリーマンになって、普通に働き普通に結婚し、普通の幸せをつかむんだと考えていた夕士。しかし妖怪アパートにきてからというもの、「普通」ではない日々の繰り返しとなっている。なんとか普通に暮らしていきたいともがく夕士は、次々と現れる現実離れした幽霊や妖怪たちに思わず「いいかげんにしてくれ」と怒鳴ってしまった。一斉に部屋が鎮まり、言いすぎたと思った夕士だったが、妖怪たちが静かになったのは「人間(だろうといわれている)」の住人であり霊能力者の「龍さん」が現れたからだった。
幽霊や妖怪たちがひれ伏している姿を見て、霊能者のすごさを実感する夕士。温かな雰囲気を持つ龍さんに、不思議と人間のかかわりや常に変わり続けることが通常であることを聞き、自分にとって「普通」ってなんだろうと考え始める。
龍さんのいうように肩の力を抜き、妖怪たちとの暮らしを楽しめるようになるのか。少しずつ妖怪たちに心を許し、自分にとっての普通を知る夕士の姿が描かれる。

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「普通の日常」の大切さに気付くきっかけになりました

『妖怪アパートの幽雅な日常』はどんな世代が読んでも面白いと感じ、心に残る言葉が多いことだと思います。
特に「地獄への道は善意で舗装されている」と「君の人生は長く 世界は果てしなく広い 肩の力を抜いていこう」は、印象に残っています。
「地獄への道は善意で舗装されている」は、作中で詩人という登場人物が発言しており、「ただの優しさは相手をダメにする」という意味が込められています。後輩の指導などは優しくしよう、というのが最近の風潮ですがそれだけでは後輩のためには不十分だと社会人の時に読み改めて気付きました。ダメな部分はダメだと指摘することも、相手に対する優しさなのです。
「君の人生は長く 世界は果てしなく広い 肩の力を抜いていこう」は龍さんという登場人物が発言しています。
事故で両親を失い、独り立ちするために焦っている主人公に対して龍さんがこの言葉をかけていました。
大学時代に志望する職業が無く、周りより遅れていると感じていた私にとって、心の支えになった言葉です。
この2つの言葉はだけでなく、この作品には沢山の名言・名シーンがあるのでぜひ読んでみてください。

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