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「普通の日常」の大切さに気付くきっかけになりました
『妖怪アパートの幽雅な日常』はどんな世代が読んでも面白いと感じ、心に残る言葉が多いことだと思います。
特に「地獄への道は善意で舗装されている」と「君の人生は長く 世界は果てしなく広い 肩の力を抜いていこう」は、印象に残っています。
「地獄への道は善意で舗装されている」は、作中で詩人という登場人物が発言しており、「ただの優しさは相手をダメにする」という意味が込められています。後輩の指導などは優しくしよう、というのが最近の風潮ですがそれだけでは後輩のためには不十分だと社会人の時に読み改めて気付きました。ダメな部分はダメだと指摘することも、相手に対する優しさなのです。
「君の人生は長く 世界は果てしなく広い 肩の力を抜いていこう」は龍さんという登場人物が発言しています。
事故で両親を失い、独り立ちするために焦っている主人公に対して龍さんがこの言葉をかけていました。
大学時代に志望する職業が無く、周りより遅れていると感じていた私にとって、心の支えになった言葉です。
この2つの言葉はだけでなく、この作品には沢山の名言・名シーンがあるのでぜひ読んでみてください。