アイアンマン2 / Iron Man 2

アイアンマン2 / Iron Man 2

マーベルコミックにおいて連載されている作品が原作であり、マーベルシネマティックユニバースにおいては第3作品目である。2010年公開。前作でアイアンマンとして活動することを宣言してから半年後の世界を描いており、アベンジャーズ計画が本格始動した回。装着した生命維持装置により命の危機に直面するトニーだったが、同時にライバル会社のハマーと組んだ電撃の鞭を操るウィップラッシュの襲撃に遭ってしまう。

アイアンマン2 / Iron Man 2のレビュー・評価・感想

アイアンマン2 / Iron Man 2
7

「アイアンマン」の第2弾

マーベルが着々と進めていった「アベンジャーズ」映画化作戦の、今となっては中核としての地位を不動のものにした「アイアンマン」の第2弾が、この「アイアンマン2」だ。

引き続き、キャプテン・アメリカや、マイティ・ソーなどが映画化され、マーベル的に、ここはきっちり成功しておきたいところだっただろう。
ご存知の通り、前作は期待を上回る面白さだった。

何が面白いといって、ガレージでアイアンマン・スーツをバージョンアップさせながら、完成させていく、 Do It Yourself な感覚とか、主人公のちゃらんぽらんなキャラクターとか、もちろん、それを演じるロバート・ダウニーJr. その人の個性が、渾然一体となった演技が際立っていたと思う。

気楽に楽しめる、コミック原作のヒーローものとしての絶妙なバランス感覚とか、あまり欲張らずにコンパクト、かつスピーディにまとめ上げた娯楽職人的センスとか、挙げればきりがない。
そういう様々な要素が絡まって、非常に楽しい1本であった。

続編はどういう手でくるのか?
それが今回の続編の楽しみの一つでもあったが、蓋を開けてみれば、非常にオーソドックス、予算にモノを言わせた、派手な物量作戦なのであった。

こういうのは、通常はダメな続編にありがちなパターンだ。
だが、どうだろう。そもそも小難しい映画じゃないのだから、むしろ、こういうあっけらかんとやらかしてくれるのも悪くないんのではないか。

言葉を換えるなら、分をわきまえたものとでも言えないだろうかと思うのだ。
前作の面白さの根本的なところに、あまりに複雑になってしまったコミック・ヒーローものを、本来のあるべき単純な世界へと引き戻したことがあったとすれば、成功した娯楽映画の、続編のシンプルな王道をやるのがこの作品のあるべき姿なのかもしれない。

そういう意味からして、映画の完成度では、前作に遠く及ばない。
だが、これはこれで楽しい映画であると思う。
ロバート・ダウニーJr.がいて、強い敵がいて、新しいキャラクターや新型メカがいっぱい登場して、派手な見せ場が盛りだくさん。
正直、相当欲張った、全部盛りである。

ジョン・ファブロー監督の偉いところは、これだけの内容を約2時間の尺にきっちりと収めてみせるところだ。
こういう職人的な見識と手腕は、大作といえば、大した内容でもないのに、やたらとダラダラ長いのが幅をきかせる昨今にあって、高く評価したいポイントだ。

逆に、残念に思うことがあるとすれば、主要キャラクターで役者の交代があったことだ。
ドン・チードルは嫌いではないが、顔の形といい、体格といい、テレンス・ハワードのほうが役にあっていたと思う。

予告編を観た時には、なんだか汚らしい格好をしたミッキー・ロークが、半裸で暴れているだけで不安にさせられたが、この男、自分が暴れるだけではない知能犯なのであった。

クライマックスでは、陸海空各種タイプを取り揃えたロボット軍団が大暴れする。
大方の予想どおり、重武装をまとったウォーマシンも登場し、ミッキー・ロークも巨大なアーマーを身に纏って参戦。

等身大ロボットの大激突映画というジャンルでは、フィル・ティペット渾身のゴー・モーションによる、クライマックスが素晴らしい金字塔「ロボコップ2」に並ぶほどの見応えがあったと思う。

アイアンマン2 / Iron Man 2
8

アイアンマン同士の戦い

映画『アイアンマン2』のあらすじを紹介。映画は前作『アイアンマン』のラストシーンの続きから始まる。「私がアイアンマンである」とトニー・スタークが宣言したことにより、その放送を見ていたイワン・ヴァンコが、かつてトニーの父と共同でアークリアクタの研究をしていた父アントン・ヴァンコが持っていた図面をもとにアークリアクタの作成に取り掛かる。

その頃トニーは、1年続くスタークエキスポから帰るとき、保安官の女性にワシントンDCへの召喚状を渡される。ワシントンDCに行ったトニーは「アイアンマンスーツは武器だ』と国に引き渡すよう言われるのだ。しかしトニーは、「スーツを渡すという事は私自身を渡す事」だと、人身売買と同じだと笑い起こす。
この場にいたジャスティン・ハマーが、各国のスーツの開発映像を見せる。しかし、どれも完成とは程遠いスーツばかりだった。

その後モナコに行っていたトニーは急遽レースに参戦。そこにスーツを身に着けたイワンが現れた。
イワンが完成させたアークリアクタのパワーは、トニーのアークリアクタには劣っていた。
ケース型スーツを着て戦いイワンを撃退したトニーだったが、「スーツを作るには後10年はかかる」と言っていた矢先に完成したスーツを着た敵が現れたことで批判され、気を病んでいく。
パーティをしていたトニーだったが、ストレス発散しようと酔って暴れていたところをジェームズ・ローズによってスーツを奪れ、空軍に持っていかれてしまうのだった。

アイアンマン2 / Iron Man 2
7

パパの心 トニー知らず…

前作のヒットを受けて、ダウニー続投です。この時点で昔のダウニーを知ってる者は信じられない…。
ところが劇中、ダウニー演じるトニー・スタークもぐれてます。心がすさんでます。
せっかくヒーロー活動を始めたのに「力の源」アークリアクターの老廃物がトニーの身体を蝕みます。
やけくそトニー、社長を譲ったペッパーからも面倒くさがられ自暴自棄。
おまけにパパの因縁の相手の息子(ミッキー・ロークが良いデス!)から狙われ、スーツを着たまま酒におぼれます。
アークリアクターの動力になる新しい元素を探すまで、お家で軟禁状態になるトニー。
パパが残してくれた映像から「スターク・エクスポ」の模型より新元素を作ります。
(この時のトニー、壁を壊すわ床をこわすわ)
粒子加速器を一人で作ります。かっこ良い!
出来た新元素を試す間もなくペッパーに危機が!新元素を仕込んだアークリアクターを装着!
「ココナッツとメタルのにおいが口に!」とダウニーの薬物裁判の時のセリフも飛び出し、絶好調モードに突入。

ダウニーの個人的な思いも込め父との関係を解いてくれました。
私は結構このくだり好きです。
お父さんとの関係に悩む方は必見ですよ。