シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ / Captain America: Civil War

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ / Captain America: Civil War

マーベル・コミックのヒーロー『キャプテン・アメリカ』を原作に、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の続編として2016年に製作された。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の後日談で、アベンジャーズの2大巨塔キャプテン・アメリカとアイアンマンが、ヒーローを監視下に置く『ソコヴィア協定』を巡って対立する姿を描く。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ / Captain America: Civil Warのレビュー・評価・感想

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ / Captain America: Civil War
9

アベンジャーズファン必見の作品

この映画ではこれまで共に戦ってきたアベンジャーズが、基本的に国連の管理下に置かれることになる協定へのサインを求められ、政治の世界に入り込む。トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)はサインを望んでいたが、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)はそれに反対し、2人は分裂。アベンジャーズの間でアイアンマンチームとキャプテン・アメリカチームに別れ内戦が勃発する。アクションシーンは充実しており、これまで味方として戦ってきたメンバー達が敵として戦うシーンは緊張感があり、スリリングな展開ながらも、スパイダーマンやアントマンの登場によりクスッと笑ってしまう場面も。そして何より、クライマックスはアイアンマンとキャプテン・アメリカの感情と対立が豊かに表現されており目が離せない。またこの作品はトム・ホランドのスパイダーマンとしてのデビュー作でもある。マーベルとしては初のスパイダーマン映画である「スパイダーマン:ホームカミング」をより楽しむためにも、先にこの作品を見ることをお勧めする。さらに、チャドウィック・ボーズマン演じるブラックパンサーもこの作品から参戦しており、2018年の映画「ブラックパンサー」につながるストーリーとなっている。物語はテンポ良く進んでいくため、最後まで飽きることなく楽しめるマーベルファン必見の映画だ。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ / Captain America: Civil War
8

ヴィランと戦うのではなく、X-MEN同士のバトル

シビル(国内)・ウォー(戦争)のタイトル通り、普段は仲間同士であるキャプテンアメリカとアイアンマン、そして彼らにそれぞれ味方するアベンジャーズ同士の争いが描かれる、今までとは違った面で切なさを感じるストーリーです。

彼らはヒーローとして世界の脅威であるヴィランと戦う存在であり、実際に幾多のヴィランを撃退した貢献者です。しかしながらその力と力の行使が彼ら自身の判断によって振るわれていることを危惧され、また、戦闘の際に被害者が出ていた事実や遺族の糾弾を受け「彼らは国際法で禁じられている自警団である」と問題視されるようになります。
そのことからアベンジャーズを国際連合の管理下に置くという協定が世界的な支持を受けます。

「それでは平和を守れない」と反発するキャプテンアメリカ。
「強大な力は管理下にあるべきだ」と従おうとするアイアンマン。
それぞれの意見に、各アベンジャーズメンバーも同調し、派閥ができることとなります。

個人の意思で活動を続けるキャプテンアメリカたちを、連合側として放置できないアイアンマンたちは数度にわたり激突します。
元々は仲間同士であり、互いをいがみあっての対立でないことからその葛藤は見ていて苦しさを覚えます。

キャプテンアメリカはアイアンマンから「父の作った盾をお前が持つ資格はない」と言われ、自身の武器でありシンボルでもある盾を置いて立ち去ります。
これらの展開は原作であるアメリカンコミック版とは大きく異なり、それぞれの道を歩みながらも二人が精神的には和解したように感じられる描写で物語は終了しました。

このストーリーの後も想像が膨らむ、アベンジャーズシリーズの中でも特別印象に残る映画です。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ / Captain America: Civil War
7

タイトルなし

2016年公開のマーベルコミック原作のシリーズ13作めにして、キャプテン・アメリカを主役とした映画としては3作目にあたりますが、アベンジャーズの続編にもあたるため、多数のマーベルヒーローの登場も見どころとなっています。
本作はタイトルにもなっているシビルウォー(内戦)の通り、アベンジャーズがキャプテン・アメリカを中心としたチーム、アイアンマンことトニー・スタークを中心としたチームの2つに分裂してしまい、ヒーロー同士の激突となる衝撃的な内容となっています。
これにはアベンジャーズの戦いは人類を守るためのものではあるが、戦いの度に甚大な被害を生じてしまい、政府の管理下になることがきっかけで、被害に関して罪悪感を感じつつも管理されては自らの意思で決断できない状況下になる事にキャップが反対し、更には悪の組織に利用されていた親友のバッキー・バーンズ(ウィンター・ソルジャー)が嫌疑をかけられ、政府に追われている所を庇ったためにお尋ね者になってしまいます。
また、アベンジャーズ前2作でも衝突する事が多かったトニーとの関係も終盤ではある事実により避けれられない激突にまで発展してしまいます。
事件の真相もまた、切なく、正義とは何なのかを今一度考えさせられる作品ではありますが、要となるヒーロー同士の戦いも各キャラクターの特徴をフルに発揮した見どころ満載のシーンになっていて、特に本作で新たに巨大化も披露したアントマンが中々衝撃的でした(笑)。
また、後の「スパイダーマン・ホームカミング」や「ブラックパンサー」の前日譚も兼ねていて、それを踏まえた上で視聴するとまた、奥深くなります。