ヴィランと戦うのではなく、X-MEN同士のバトル
シビル(国内)・ウォー(戦争)のタイトル通り、普段は仲間同士であるキャプテンアメリカとアイアンマン、そして彼らにそれぞれ味方するアベンジャーズ同士の争いが描かれる、今までとは違った面で切なさを感じるストーリーです。
彼らはヒーローとして世界の脅威であるヴィランと戦う存在であり、実際に幾多のヴィランを撃退した貢献者です。しかしながらその力と力の行使が彼ら自身の判断によって振るわれていることを危惧され、また、戦闘の際に被害者が出ていた事実や遺族の糾弾を受け「彼らは国際法で禁じられている自警団である」と問題視されるようになります。
そのことからアベンジャーズを国際連合の管理下に置くという協定が世界的な支持を受けます。
「それでは平和を守れない」と反発するキャプテンアメリカ。
「強大な力は管理下にあるべきだ」と従おうとするアイアンマン。
それぞれの意見に、各アベンジャーズメンバーも同調し、派閥ができることとなります。
個人の意思で活動を続けるキャプテンアメリカたちを、連合側として放置できないアイアンマンたちは数度にわたり激突します。
元々は仲間同士であり、互いをいがみあっての対立でないことからその葛藤は見ていて苦しさを覚えます。
キャプテンアメリカはアイアンマンから「父の作った盾をお前が持つ資格はない」と言われ、自身の武器でありシンボルでもある盾を置いて立ち去ります。
これらの展開は原作であるアメリカンコミック版とは大きく異なり、それぞれの道を歩みながらも二人が精神的には和解したように感じられる描写で物語は終了しました。
このストーリーの後も想像が膨らむ、アベンジャーズシリーズの中でも特別印象に残る映画です。