レベルE / LEVEL E

レベルE / LEVEL E

「レベルE」とは1995年から1997年まで週刊少年ジャンプにて掲載された作品で、作者は冨樫義博。前作は幽☆遊☆白書であり、この漫画は冨樫義博の3作目の作品である。
山形県を舞台に、頭は宇宙一切れると称されるが性格が悪いドグラ星のバカ王子を中心に物語が進んでいく。彼に振り回されるのは主に地球人の筒井雪隆、バカ王子の側近のクラフト隊長である。

レベルE / LEVEL Eのレビュー・評価・感想

レベルE / LEVEL E
10

斬新すぎる「宇宙人との遭遇」を描いた漫画

『レベルE』は、冨樫義博先生が1人で書き上げるために隔週連載されていたシュールギャグ漫画です。ギャグ漫画でかつ単行本は3冊。とてつもない情報量なのにすっきり面白く読めるのが最高です。
主人公の宇宙人であるバカ王子が考える悪戯の数々に翻弄される護衛と地球人っていう図式ですが、ギャグもテンポが良くてとても面白いです。シリアス寄りの絵柄なんですが、言葉選びとコミカル展開で逆にシリアスな絵柄こその笑いがあります。
アニメ化もされていますが、ぜひ原作を読んでいただきたい!漫画を読むペースは人それぞれですが、巧みなセリフと視線誘導でテンポよく読めるはず。ホラー要素があるような短編もありますが、それでも冨樫義博先生の実験的な表現が盛り込まれていて、想像の斜め上をいくって意味がよくわかる1作になっています。展開も程よく読めなくて目が離せません。謎解き要素もあったりと登場人物に一貫性はありますが、物語の始まりは短編集みたいにオムニバス方式に見えるほど特殊な漫画。有名タイトルが多い冨樫先生のこだわりや、自分が楽しい面白いと思うものをいかにしてたくさんの読者に届けるかというプロの意地を感じる神作品です。

レベルE / LEVEL E
8

レベルE・冨樫義博のオススメマンガ。

幽遊白書とハンターハンターの連載のあいだにジャンプで掲載された、冨樫義博の隠れた名作です。アニメ化されたことにより、知名度は上がったと思います。
この作品は幽遊白書とはだいぶ絵柄が違ってて、人物の描き方がリアルで人を選ぶため星8にしました。
おそらく冨樫義博が好きなように描いた作品だと思われており、話がぶっとんでいます。

宇宙人の超天才で、性格が最低の「バカ」と呼ばれる王子が中心のストーリー。
この作品をネタバレすると面白さがかなり損なわれてしまうので、少しだけにします。
毎回のとんでもないオチに、ビックリすると思います。
王子の護衛のリーダー、クラフトの名言「常に最悪の事態を想定しろ。やつはそれの斜め上の行動をする」。この斜め上の表現は、某掲示板でよく使われていました。
冨樫義博の趣味が全開と思われるカラーレンジャー編。生意気な子供たちが主役のストーリーが一区切りしたと思ったら、RPGの世界に入ってしまうという展開。ハンターハンターの「グリードアイランド」の元になったと思われるストーリーです。この話いつまで続くんだ?と思ったら、意外な結末を迎えてあっという間に終わります。

コミックスは全三巻と短いので、気楽に読めると思います。奇抜な発想の物語、ぜひ読んでみて欲しいです。

レベルE / LEVEL E
8

難しさの先にある面白さ

「幽☆遊☆白書」や「HUNTER×HUNTER」でおなじみの冨樫義博さんが作者の全3巻までのマンガです。変わった宇宙人が地球に来るという話なのですが、まず1回目に読んだ感想は、「難しくてわからん」といった感想です。本編みたいな話とスピンオフみたいな話があり、単純におもしろい話もあり全部が全部わからないというわけではありませんが、途中、読解力が必要な話があります。私は単行本を持っているので複数回読み直して「そうゆうことか!」と理解でき、それと同時にどうやったらこんな話を作ることができるのか?と思いました。世間で言われている通り、冨樫さんは神だと思いました。良い意味で、頭おかしくて変態だと思います(ほめてます)。
全3巻と巻数は少ないのですが、その中におもしろさが凝縮されていると思います。マンガでは、それこそ「ONE PIECE」や「NARUTO」などを挙げようと思いましたが、3巻という短さでこれだけおもしろくできる、ある種のコスパの良さをオススメしたくて今回選びました。連載が短いものはつまらなくて打ち切りになったのでは?と思ってしまうのですが、レベルEはそんなことありません。おそらく、いろいろ詰め過ぎて3巻までしか持たなかったのだと思います。この濃さをあと数十巻は続けられないと思いますし、読む方もしんどくなると思います。