レベルE / LEVEL E

レベルE / LEVEL E

「レベルE」とは1995年から1997年まで週刊少年ジャンプにて掲載された作品で、作者は冨樫義博。前作は幽☆遊☆白書であり、この漫画は冨樫義博の3作目の作品である。
山形県を舞台に、頭は宇宙一切れると称されるが性格が悪いドグラ星のバカ王子を中心に物語が進んでいく。彼に振り回されるのは主に地球人の筒井雪隆、バカ王子の側近のクラフト隊長である。

hanetani0のレビュー・評価・感想

レベルE / LEVEL E
10

【祝『HUNTER×HUNTERハンター』連載再開】富樫義博先生による傑作SFマンガ『レベルE』

富樫先生の才能をこれでもかと体感できるSF作品。
作品のあらすじとしては、地球にはすでに数百種類の異星人が生活していて気づいてないのは地球人だけ、そんな世界観。そして、主人公は高校進学と同時に一人暮らしを始めた「筒井雪隆」となぜか入居前に雪隆の部屋でコーヒーを沸かしてくつろいでいた謎の宇宙人王子(見た目は美形の青年だが…)。
この王子がまあ邪悪(笑)。こやつの傍若無人な振る舞いが、なんやかんや良い人である雪隆たちの善意を踏みにじりまくる。でも、そんな様が笑えるのも事実で、どこか憎めないキャラクターとなっているのは流石の一言。てんやわんやのコメディ調で話は進んでいくが、終盤には緊張感のあるサスペンスやアクションも楽しめちゃうから最高だ。最後のどんでん返しはぜひ自分の目で見ていただきたい。

と、作品の雰囲気は何となく伝わったかなと思う。なので最後に、個人的に天才だと思うシーンを一つ解説して終わりたい。そのシーンは6ページの王子が初登場したシーンだ。雪隆が新居に入ると、そこには足を組み、コーヒーをその上に置き、本を読む王子がいるというものだ。人間でもよくある何気ない日常のシーンであるが、コーヒーを組んだ足の上に置いているというところが違和感となり、この人物(王子)が宇宙人でないことを示している。そして、1ページ目で語られた日常に潜む宇宙人というテーマを完璧に表している描写となっている。

こんな感じでいかがだろうか。全2巻とすきま時間にも読めるし、ジャンプ+のアプリで最初の短編がすべて無料で読めるのでぜひ読んでいただきたい。※ちなみに絵もめちゃくちゃ気合入ってて上手いよ。