金田一少年の事件簿

金田一少年の事件簿

原案、原作:天樹征丸、作画:さとうふみやによる少年マンガ。シリーズ中盤まで原作:金成陽三郎。
金田一耕助の孫である高校生・金田一一(きんだいち はじめ)が事件を解決していくミステリー推理マンガ。
テレビアニメやドラマ化もされ、1992年(平成4年)から連載されており一度完結している。2013年から「金田一少年の事件簿R」として連載が始まった。

金田一少年の事件簿のレビュー・評価・感想

金田一少年の事件簿
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笑いと涙と推理力満載と時々エロ

主人公の金田一一は高校2年生。周りのみんなから「勉強駄目」「運動も駄目」「頭の中は常にエロのことでいっぱい」と思われており、皆からは「ダメ金」と呼ばれている。
しかし、幼馴染の七瀬美雪だけは一の才能に気づいている。そう!何を隠そう金田一一は、金田一耕助の孫である。行く先々で難事件と出くわし刑事でも解決できない事件をいとも簡単に解いてしまう「IQ180」の男である。

一と美雪の他に、後々親友になる刑事の剣持勇と明智健吾、そして物語の後半で宿敵のライバルとなる高遠遥一で物語は繰り広げられていく。
20周年記念として発売された、「ファイル37 薔薇十字館殺人事件」はファンの中でも人気が高い作品と言える。

基本、殺人犯イコール悪と思いがちだが、この漫画は違う見方も見れる。どうして殺人を犯さなければならなかったのか?どうして復讐しようと思ったのか。人それぞれ思いはあるが、一貫して言えるのは「大切な人の為の復讐」という事である。兄弟(姉妹)や恋人を殺され、その怒りが殺人鬼を生んでしまった。もしかしたら自分が殺人鬼になってしまったかもしれないと考えさせられる場面もある。
それぞれの人間関係だったり、仲間の裏切りや大切さ、周りの人の支えなど、人間の暖かさや冷たさなどが垣間見れる作品である。

金田一少年の事件簿
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大人になってから観ても良い作品である。

金田一少年の事件簿は作者が表明している通り、簡単に殺人をしてはならないという意味が込められている作品だ。
もちろんどんな理由があっても人を殺してはならないが、金田一の場合、怨恨や復讐、誰かを守る為等、
一瞬だけこんな事情があるなら加害者になっても仕方ないと我々読み手に思わせてしまう程動機が重い設定にしている。
それは被害者の名前をあえてキラキラネームにしていたり、とてもひどい人格にしていたりする事をいう。
他にも、金田一ファンであれば一番キーワードになってくるのが「遺伝子」に関する事件が多いことは知っているだろう。
例えば、異人館ホテル殺人事件では、殺された若手美人女優とたまたま配属された意地悪エリート女警視がまさかの一卵性双生児であったり、
黒死蝶殺人事件ではまだ小さな子どもの遺伝子上の本当の父親が、実は25年前に亡くなっていた当時の交際相手の男性であった。
母親が医学部に在籍していた時に研究の為に恋人に協力してもらい精子を冷凍保存していたというのが真相だ。
また、いかにも金田一ワールド色が強いタロット山荘殺人事件も、
主人公金田一が少人数の中に同じ特殊なトラウマをもった人間がたまたまいるはずがないと見抜き、その二人は事件に巻き込まれ生き別れになっていた兄妹であった。

金田一少年の事件簿
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怪物の仮面を被った人間か、人間の仮面を被った怪物か。

IQ100前後が人間の平均と言われる中、主人公17歳の高校2年生、金田一 一はIQ180の天才的な頭脳を持つ。だが、学校の勉強やスポーツは全くと言っていいほど出来ない。出来ることといえば祖父である名探偵である金田一耕助譲りの推理力くらいで。

金田一 一は人一倍正義感が強く、人間味が溢れるキャラクターであり、幼なじみの七瀬美雪とのコンビネーションも夫婦漫才のようで見ていてほのぼのとする。

この作品はタイトルでも分かるように主人公金田一 一が行く先々で事件に巻き込まれ、その推理力で難事件を解決していくという主題である。
どこかで聞いたことのある設定だと感じる人もいるだろう。
金田一少年の事件簿は1992から2001までマガジンで連載。2004年夏以降は不定期に、2013年から2017年は改題して連載。
2018年からは「金田一37歳の事件簿」も連載とファンから長く愛されている。

作中で起こる事件での登場人物は主人公たちを除くと4人以上が多く、その中の2人以上が殺されてしまうという所謂連続殺人である。事件を起こす犯人は「雪夜叉伝説の雪夜叉」のようなその土地に伝わる伝承に出てくる怪物をモチーフにした変装、オペラ座の怪人のような不気味な見た目の怪人を装って犯行をする。その怪人(犯人)が同行者たちの中の誰なのか、を暴くというのも1つ他と違う面白い要素。また事件毎に色んな怪物たちが登場する点も、見所である。
犯行が伝承や都市伝説等になぞらえているため、殺害方法が死体をあちこち切り取る、顔を潰された死体などとグロテスクな描写があるため、注意が必要。
金田一耕助シリーズの小説でもそういった描写が出てくるため、オマージュしたのかと私は考えた。

ある事件の被害者または身内が被害者になってしまい、その加害者を憎んで犯罪に手を染めてしまう、中には壮絶な人生を歩み自分の人生を変えたくて行動してしまうものもおり、同情というよりは人間の危うさのようなものを感じる場面が印象的だった。

金田一少年の事件簿
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名探偵作品のスピンオフ漫画

公式か非公式かは不明ですが、ドラマ化などもされてたミステリー小説の名探偵キャラクターである金田一耕助、その孫の金田一はじめが主人公の、金田一耕助作品スピンオフといえる名探偵漫画です。
彼は一見だらしのない見た目と女性に弱いスケベな男性ですが、祖父の知能を受け継いだのか高いIQを持っていてその能力は様々な難事件を次々と解決します。
金田一少年はただ推理力が高いというだけではなく、「呪われているのでは?」と感じるほどに事件に偶然巻き込まれたりします。警察がくることもありますが、時には嵐に遭い陸の孤島に取り残されるなど、実質的な密室に犯人らと共に閉じ込められることも多々あります。作中でも「死神」という不名誉な呼ばれ方をしたことがあるのも無理はありません。
事件に巻き込まれる時には、必ずといっていいほど幼なじみヒロインの美幸や刑事の剣持と一緒に旅行に行っていたりすることが多く、ラブコメ要素あり、セクシーシーンあり、引き立て役のポンコツ刑事ありという、各種コメディ要素がある探偵物としての王道を作り上げた作品といった印象も強くあります。
事件に使われるトリックや、それを見抜き自分で再現する金田一少年の狂気なまでの知能と実行力は、シリアスとしてもギャグとしても楽しむことができます。

金田一少年の事件簿
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トリックだけじゃない

世の中には多くのミステリー作品が出回っていますが、これほどまでに人の心にスポットライトを当てているものは少ないのではないかとおもいます。
犯人の動機がすごい。人が人を憎むとはどういうことか、命を奪うとはどういうことか。そんな事を考えさせられるような話が多いです。
少し前まで、新たに金田一少年の事件簿Rとして再連載したようですが私個人としては初期(金田一少年の決死行)までが一番オススメです。このころが一番、先に書いた『金田一らしさ』が全面に出ているからです。中でもオススメなのはオペラ座館三作品と魔犬の森の殺人、墓場島殺人事件あたりです。これらの作品は自分自身より大切な恋人がいるひとならば、その犯人がどれだけの憎しみを抱いたか胸が苦しくなるほどよくわかると思います。
他には首切り武者や雪夜叉の事件など、親子スポットライトを当てた事件などもとても深い仕上がりになっています。
また金田一少年の事件簿はアニメ化、ドラマ化されていますが、最も良いのはやはりマンガです。
犯人の怒りや悲しみ、憎しみや苦しみそれらが渦巻き、爆発し、やがて人を鬼に変えるまでの様相を最も表現出来ているのは漫画だと感じています。
興味を持たれた方は是非、漫画を読んでみてください。

金田一少年の事件簿
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誰もが知ってる有名マンガ!!これぞミステリー

30代の私が、小学生の頃から継続して購入している大好きなマンガです。
本格的なミステリーですが、ギャグ要素もあり、飽きずに楽しめます。
マンガ家の絵の描き方が、長年続けているうちにだいぶ変わってしまいましたが、初期の頃は相当雰囲気があり、おどろおどろしい怖さがありました。
子供達は色んなシーンでトラウマを植え付けられたことでしょう(笑)
現在は時代に合った描き方になっていて、ヒロインの美雪に関しては、元々グラマーな印象だったのがスマートな印象になっています。
話の内容としては、長編の場合は必ず殺人が起こります。
それも色んな殺され方やシチュエーションで。
ナタで頭をかち割られたり、「鉄の処女」に入れられて沢山の針に体を貫かれたり、ウエディングドレスを着た首なし死体が出たり、無人島で爆弾で複数人がバラバラ死体になったり。

トリックも奇抜な物があり、これ、本当にできるの?と疑問になるような物もあり、後にスピンオフ作品でも取り上げられていました。
途中ヒントが出ていたりもしますが、さすがにこれは見抜けないといったトリックも。
私は推理しながら読むタイプではなく、純粋にマンガとして物語として読んでいくタイプなので、とても楽しめます。

主演を代えて何度もドラマ化されているので、マンガと一緒に見ることで、より楽しめる作品かなと思います。