賭博破戒録カイジ / Tobaku Hakairoku Kaiji

賭博破戒録カイジ / Tobaku Hakairoku Kaiji

2001年~2004年に「週刊ヤングマガジン」で連載された福本伸行によるギャンブル漫画、及びそれを原作とするアニメ、映画のこと。自堕落でどうしようもない毎日を送るカイジが、保証人としてかつてのバイト仲間の借金を返済するためギャンブルの世界へ身を投じていく様を描いた前作「賭博黙示録カイジ」の続編として、再びカイジが勝負の世界で奮闘する様子が描かれる。

賭博破戒録カイジ / Tobaku Hakairoku Kaijiのレビュー・評価・感想

賭博破戒録カイジ / Tobaku Hakairoku Kaiji
6

地下チンチロ編が入ってるのがうれしい(映画:カイジ2 人生奪回ゲーム)

カイジ2の一番好きなところは、オープニングです。あの班長との地下チンチロ勝負!これが原作でも一番と言っていいほど好きな場面なので、それが映画でみれてうれしいです。松尾スズキさん番長の、イカサマがばれたときのおどおどした誤魔化し方も完璧な班長ぶりで、さすがと思いました。あと、やっぱりパチンコを操作して大金を出すという話は、わかりやすいし、パチンコは機械だから、釘の間を広げたり、地面を傾けたり、イカサマの仕方が単純だけど、やるのは難しいことをやってのけてて面白いです。ただ、石田の子供を女の子にする意味はわからないし、不機嫌な女の子に振り回されるとか要らないと思いました。1でも、黒服の男を天海祐希さんに変えてたし、なんなんですか。映像化するには女性を増やさないとダメなんですか?意味がわかりません。それに、お姫様と奴隷ゲームもいきなり感があるし、あれを入れる意味もわからないです。結局、原作にあるところが面白いです。役者陣は、藤原竜也のカイジも、大げさだし、嫌いな人もいるかもだけど、私は好きだし、カイジって原作でも結構バカだからあれでいいと思います。あと、生瀬さんが素晴らしいです。あのヘラヘラ感、ただよう哀愁!どこにも嫌味がなく、応援したくなります。いろいろつっこみどころはありますが、藤原竜也と生瀬さんと松尾スズキさんが出ている時点で、みて損はないです。

賭博破戒録カイジ / Tobaku Hakairoku Kaiji
8

ギャンブラーのバイブルみたいな本です

『カイジ』は黙示録編から堕天録~24億脱出編~までありますが、この破戒録編が一番読みごたえある作品になっていると思います。
特に破戒録編は『地下チンチロ編』と『パチンコ沼編』の2部構成になっており、個人的には『地下チンチロ編』が特に面白かったです。
今やカイジ映画の代名詞にもなったビールを飲んだシーンのカイジのセリフ「キンキンに冷えてやがる!!!」などもでてきます。
また、敵役の班長の名台詞「明日から頑張るんじゃない、今日を頑張った者、今日を頑張り始めた者にのみ明日は来るんだよ」など心に染みる名言も多いです。

ギャンブルの勝負内容はカイジと班長がおこなう『チンチロ』でサイコロを3つ振って出た目が強い方が勝つというシンプルなルール。
しかし、福本先生が考えたオリジナルのルールを混ぜ込む事で展開が2転3転し、とてもよく作り込まれています。

映画ではほぼカットされてしまった『地下チンチロ編』なので、カイジの映画の1作目、2作目を見て面白いと感じたけど原作はまだ読んでない方は是非、この本を読んでください。
映画にないカイジと班長の駆け引きや窮地に追い込まれた時のカイジの勝負強さは必見です。

賭博破戒録カイジ / Tobaku Hakairoku Kaiji
10

地下強制労働施設編のおもしろさ

エスポワール編の続きのお話です。
カイジが地下強制労働施設に送られてしまい、そこから這い上がっていくシーンを描いたものです。
初めにこの話を読んだ時はいろいろと衝撃を受けました。ここで働けば借金の利子が増えない、わずかではあるが、返済とは別におこづかいもある、施設の中で食べ物・嗜好品等購入可能、頑張り次第では外の世界に出られるといった、地に落ちた人間が行き着く地獄の施設でありながらも救いがある(ほかの漫画だと自由も何もない本当の地獄のように書かれることが多い)。施設で働く人々の中で序列が自然に形成されて行っているのがすごく興味深く思いました。
ギャンブル漫画でありながらも、カイジという一人の人間がもがくにもがいて現状を打破していこうとするヒューマンドラマのような感覚で読むこともできます。
地下施設でのギャンブルも出てきますが、登場人物がすごくいい味を出しています。特にカイジの所属する班の班長さんは、いい感じのくそ野郎です(笑)。巧妙な手を使って相手をだまし、それがばれてしまったら何とかごまかそうと必死に乗り切る。すごく最低な人間ですが、どこか憎めない、共感できる部分もあり、癖になる漫画です。