人間に憧れて死を望む化け物 VS 化け物を越えたい人間。本当に勝ったのはどっち? ※全般的にグロ注意
はじまりの吸血鬼であり、作中では無類の強さを誇る主人公・アーカード。化け物と異教徒を切り捨て続けるバチカン第13課の神父・アンデルセン。この2人と、「ナチスが南米に逃げた」という都市伝説に基づきキャラ付けされた旧ナチス親衛隊・ラストバタリオンが文字どおり血みどろの争いをする作品です。
アーカードはイギリス国内の架空の政府機関・ヘルシング機関に属するメンバーであり、国内で頻出している化物退治を行っています。その任務の中で出会ったのがアンデルセン。アンデルセンは人間ではあるものの化物級の能力を持ち、時にはアーカードを追い詰めることも。そんな彼と対峙したことで、アーカードは約1世紀ぶりに自身の「死」が近くまで来ていることに気づき、喜びを感じます。
その対峙に第3勢力として加わったのがラストバタリオン。かつてアーカードが血を吸った女性の体を使い、吸血鬼を量産。彼らを兵士にし、イギリスを襲撃。物語の中盤以降はヘルシング機関・バチカン・ラストバタリオンの3者が、ロンドンが殲滅してしまうくらいの戦闘を行うという展開になります。
作中を通じ、アーカードは「人間らしさ」を追い求めています。だからこそ、作中でアンデルセンが人間ではなくなった瞬間に、子供のようなさみしい顔をして怒り狂ったのです。「人間に殺される」という彼が望んだ死が遠のいてしまったので…。
最終的にアンデルセンは死に、ラストバタリオンもいなくなり、アーカードも一瞬いなくなったものの死んではいません。人間らしさを追い求めた彼は、生き残ったものの本当の望みは叶わず。登場人物全員が幸せに死ねたかどうかは、はっきりと書いていません。
ちなみに作中毎回誰かの体はもげ、画面はしょっちゅう血に染まるので、グロ耐性は必須です。