10年ぶりの再会で追いついた。劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM」
TVで毎週たのしく鑑賞していたつもりだったが、実は本当に伝えたいこと、深い思いに届いていなかったことが劇場版を鑑賞して痛感した。総集編の形であり、記憶力の優れた人には物足りなかったかもしれないが、それは読書でもそうだが、2回目の反芻が違う発見を生むことがあるのだから。そういう意味では、このブランクが新しい感動の必要条件だったのかもしれない。
有名著作がベースにあり、様々な社会問題を埋め込むダークなアニメーションを、コミカルなキャラクターや不可思議な無駄とも思われるシーンで薄めながら物語が展開してゆく。
改めて感動したのは自身が成長して深く読み取ることができたからなのか、知らないうちに誰かの発信を読んで頭の中に入っていたからなのか、今回の映像がダイジェストといいながらも説明表現になったいたからなのか。それはわからない。
しかし、10年前の表現が決して古臭くなく、訴える力は落ちていないと断言できる。ただし、込められた社会問題に無知なひとには単なるダークファンタジーにしか映らないのだろう。
本当に感動できるのは、次回作の後編なのだろう。エンディングテーマのなつかしさがいつまでも脳裏にかすむ。原作を改変してほしくないが、悲しいだけの終わりにならないことを祈る。