輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum

「少女革命ウテナ」などの幾原邦彦の12年ぶりの監督復活作で、2011年7月~12月まで全24話が放送されたブレインズ・ベース制作の作品。
冠葉と晶馬の妹である陽毬は病気のせいで余命わずかになってしまい、思い出の水族館へ行くが陽毬は倒れてしまい、病院に搬送されるも息絶えてしまう。
陽毬は水族館で買ったペンギン帽子に宿る謎の人格により延命されたが、その代わり「ピングドラム」を探すことを強制される。

bbman4のレビュー・評価・感想

輪るピングドラム / ピンドラ / Penguindrum
9

愛と運命を描いた感動作

数多の人気作品を手掛けた幾原邦彦が家族をテーマに制作したオリジナルアニメ作品です。
キャラクターデザインは漫画家として知られる星野リリィ。
小説版もあります。
主人公は余命わずかの妹陽毬。
そしてその兄の冠葉と晶馬。
陽毬は一話から死んでしまうものの不思議なペンギン帽子に宿る謎の人物プリンセス・オブ・クリスタルの力により延命されますが、二人の兄はその代償にピングドラムを要求されます。
大切な妹のために何か分からないまま懸命にピングドラムを探す日々が始まります。
作中では最後までピングドラムが何だったのかは明言されません。
リアルとフィクションの狭間のような世界観の中で見ているものもまたピングドラムを探し愛とは家族とは何なのかを考えます。
繰り返されるきっと何者にもなれないお前たちに告げるという言葉が刺さる人も多いのではないでしょうか。
地下鉄サリン事件を題材にした描写がいくつも散りばめられており、不気味さと閉鎖的な雰囲気にアニメの枠を超えた大きなメッセージ性を感じます。
また、宮沢賢治の銀河鉄道の夜をモチーフとしています。
様々な家族の形が描かれており、懸命に守る姿は感動します。
愛と運命を巡る物語をぜひ見てください。