バットマン ビギンズ / Batman Begins

バットマン ビギンズ / Batman Begins

『バットマン ビギンズ』とは、2005年にアメリカで制作された実写映画。監督はクリストファー・ノーラン。アメリカンコミック『バットマン』シリーズを原作としている。実業家ブルース・ウェインが、闇の騎士「バットマン」として、世に蔓延る凶悪犯罪者たちと戦う決意をする様を描く。

バットマン ビギンズ / Batman Beginsのレビュー・評価・感想

バットマン ビギンズ / Batman Begins
8

『バットマン ビギンズ』でノーラン監督はバットマンの正義をどう定義したか?

クリストファー・ノーラン監督が描くバットマン3部作の1作目。今作は主人公ブルース・ウェインのイメージ、そして理想のバットマン像を、ノーラン監督の美学に基づき詳細に表現された作品だ。
はじめに「なぜバットマンになったのか?」「なぜコウモリなのか?」などバットマン誕生のルーツから始める。そして、ヴィランはたまた警察との闘いや、執事アルフレッドとの会話の中から「バットマンの正義とは何か?」「仮面を外したブルース・ウェインはどう生きるべきか?」など、自身の在り方を見つめる姿が映し出されていく。ゴッサムシティという歪んだ世界の中で、続く闘いに向けて、今作のブルースはひとつの結論を出している。

結論、今作のバットマンは、紆余曲折を経ながらも最終的には自身の正義と復讐を分別して捉え、見事に後ろ暗い過去を乗り越えている。他のバットマンシリーズでは、復讐の瘴気に苛まれ、正義との分別があいまいになり、心を病む描写が描かれることもしばしばある。しかし、当作品はバットマンらしい暗躍ぶりを見せながらも、総合的には純粋なヒーローの姿を描いている。
正義と悪、その隔てが難しいバットマン作品である中、ヒーローの心の美しさのようなものをよくうかがうことができ、観た後の安心感が強い。

バットマン ビギンズ / Batman Begins
7

ゲイリーがいいもの?!

ゲイリー・オールドマンが、バットマンに協力する良い警官役をしていて、ちょっと意外でした。でもたしかに、年を重ねて優しいおじさま然となってきたので似合っていたと思います。
私はバットマンってそんなに見てきてないのですが、クリスチャン・ベイルのシリーズは暗くて重くて好きです。彼がなぜバットマンになったのか、普通の人間がなぜあんなに戦えるのか、その謎が分かる話でした。また、私は訓練の描写って結構好きなので、ブルース・ウェインが一から修行している描写が良かったですし、コスチュームとかエンブレムも自分で考えているのが、よく考えたらそりゃあそうなんだろうけど、なんかクスっとできました。
バットマンは孤独な戦士ってイメージがありましたが、執事もアルフレッドや、会社の人間が彼に協力していて、会社の人なんて、それを何に使うんだってなりそうなのに協力しているところが良いです。前述の、ゲイリー演じるゴードン警部の、腐りきった警察に対するいら立ち、でも一人で戦っても汚職はなくならないというあきらめの演技も素晴らしかったです。
ヴィランはちょっと小物だったかなって気はしますが、たぶんあの人は親玉だろうって人がきちんと最後親玉で出てきて魅せてくれました。
ここからあの三部作が始まったんだと思うと感慨深いです。

バットマン ビギンズ / Batman Begins
8

始まりって好き

いろんなことの始まりの話って好きなので、これも気に入りました。
自分で武器やらコスチュームやら作るのは大変ですが、ブルース・ウェインは会社に研究部があって恵まれていたなあって感じです。
そこの責任者もどこまでわかってんのかわかりませんが、協力してくれているし、執事のアルフレッドもいるし、結構おじさま軍団で頑張ってるって感じです。
夜出かけることやけがをすることの言い訳に女たらし説を流すというのもなるほどと思いました。
そのせいで、会社でも評判はがた落ちですが、それもヒーローの定め何でしょうか。
外国のスーパーヒーローはなんか悩んでいる人も多くて(スパイダーマンとか)、大変そうです。
ブルース役のクリスチャン・ベールはすごく細いときもあったけど、今回はすごくたくましくなっていてまさにバットマンでした。
たくましすぎて、普通のおぼっちゃまには見えない気もしますが、まあいいと思います。
アルフレッド役のマイケル・ケインはいかにも紳士って感じで好きです。
彼のブルースさまに決して見捨てませんみたいにいうところとかそれでいて軽口をたたくとが好きです。
ゴートン刑事はゲイリー・オールドマンだし、すごくおじさまたちがいい映画だったなと思います。

バットマン ビギンズ / Batman Begins
9

誕生秘話

バットマンの誕生秘話として、とても興味深く見れました。
アイアンマンのときも思いましたが、人間のスーパーヒーローは大変です。
コスチュームも武器も乗り物も自分で作らないといけないのですから。金持ちじゃないとむりですね。
もちろん装備だけでなく、体も心も鍛えないといけないし、一度は下の下に行くのも必要だったのかもしれません。あいつは悪者でしたが、バットマン誕生に必要なやつだったのでしょう。
スケアクロウは、くらいし、何考えてるかわからない感じだし、敵役とわかる前から不気味な感じでした。
そんなに強くもなかったし、でもおもしろいヴィランだなと思います。
それに、実は正しいというか、薬で変にするのが一番手っ取り早いやっつけ方だなと思いました。
ゲイリー・オールドマンはいつもとは違う、いい警察官役でよかったです。
なんか、ゲイリーがしてると実は裏がとか考えちゃう気もするけど、笑顔も優しげだし、よかったと思います。
クリスチャン・ベイルはすごい肉体で説得みがありました。
この人はすごい痩せるときもあるし、すごいなと思います。
全体的にシリアス路線で大人の雰囲気のバットマンです。
とてもおもしろいと思いますし、続編もよかったです。

バットマン ビギンズ / Batman Begins
10

バットマンとキャットウーマンが出会う話

バットマンがゴッサム・シティを守っていく中、ペンギンの怪物が誕生し、それを恐れた両親によって捨てられたかわいそうな男と対決する話です。
ペンギンの怪物のその過去は可哀想だと思います。ただ手がおかしくなってしまっただけで恐れられてしまって、両親の愛情を感じることなく、地下の下水道の中で暮らして行かなくてはいけないのはあまりにも酷な話だと思います。それでも成長していくにつれてか、仲間のペンギンとサーカス団のような人物達と一緒にいたから少しは救われたような気がしますが、彼はそれだけでは満足できなかったのです。
ついには地下を流れる水を汚染している原因となった人物と共謀して、地上へと舞い上がるのです。でも、そこでも幸せが長く続かなかったのはバットマンとの対決で晒してしまった自分の本性のせいなので、自業自得なのです。
バットマンがペンギンの怪物によって悪者となってしまうのは悲しかったですが、自らの力でまたヒーローに返り咲いたのは凄く嬉しかったです。
それに社長秘書だったセリーナが、社長に窓から突き落とされた時からキャットウーマンに生まれ変わり、苦悩しながらも活躍する姿は格好良かったです。
そんなキャットウーマンがバットマンと出会い、セリーナとブルースが出会い、お互いの正体を知っておきながらも対決するのは凄く良かったです。
でも、それでもなお、似た者同士の2人が惹かれあっていくのは感動しました。この映画はバットマンとキャットウーマン、ブルースとセリーナが出会う物語を描いた映画なのだと私は思います。