もやしもん

もやしもん

『もやしもん』とは石川雅之によって『イブニング』と『月刊モーニングtwo』にて連載された、細菌やウィルスを肉眼で目視できる大学生を主人公とした学園漫画、およびそれらを原作としたアニメ・ドラマである。主人公、沢木 惣右衛門 直保(さわき そうえもん ただやす)は菌・ウイルスを見る能力を持ち、なおかつ菌と意思疎通をすることまで可能だった。その不思議な力ゆえに巻き起こる1年間のどたばた劇を描いている。

もやしもんのレビュー・評価・感想

もやしもん
9

微生物が見える主人公のちょっと奇妙な青春ドラマ

「もやしもん」は漫画家・石川雅之によって描かれた微生物をテーマにした独特のマンガです。
農業大学を舞台に主人公の沢木総右衛門直保が、微生物を肉眼で見れる特殊能力を持っているという設定で、斬新なストーリーが展開されます。

本作の最大の魅力はなんといっても、微生物学という学問をマンガであつかいエンタメとして見事に昇華している点です。

・酵母、乳酸菌、カビなどの微生物をキャラクター化
・そのキャラたちがわかりやすく解説
・人情味あふれる感情や言葉遣い

上記のように、理解しやすいようにたくさんの工夫が施されています。

また本作は「食文化や農業」「環境問題」といったテーマも取り扱っており、単なるマンガというものではなく、社会に対しての問いかけを投げかけている作風です。

一方で、専門的な内容が多いため科学や農業に興味のない人にとっては理解するのは難しいかもしれません。また、比較的展開がゆっくりなので、物足りなさを感じる読者も一定数出る可能性もあります。

しかし「もやしもん」は科学的な正確性とマンガとしてのストーリーの面白さを高いレベルで融合した稀有な作品と言えます。微生物という目に見えないものを可視化し、その魅力を伝えているので、息抜きに読むのも良し、教育マンガとして読むのも良しのオススメの作品です。

もやしもん
10

私も菌が見えたらいいな。

この作品は、1度でも細菌に関係をもった人ならはまってしまう作品です。
基本この作品はお酒の話が多いのですが、時々病原菌も登場します。このマンガはマンガとは思えないほどの様々な細菌がでてきます。本当は細菌と酵母は違いますが。(酵母は真菌です)私はコ・メディカルなのでO157が出てきたときは「O157きたー!!!」と患者さんはとても辛い状況なのですが、テンションが上がってしまします。主人公が細菌と会話をしているのをみた時、「これが出来れば広域抗生剤なんていらないじゃない?」とも思いました。
またこのマンガでは人間の日々の生活の中で活躍してくれる細菌達がたくさん登場します。常在菌はもちろんです。その細菌達の紹介がひとつひとつ細かく紹介してあり、お酒好きの人はもちろん、抗菌、除菌と言っている人も、細菌達が全て悪者ではなくて、いいことをしてくれる、本当に悪い病原菌からカラダを守ってくれる良い細菌達がいると解ってくれると思います。それと人間の免疫能力にも感動を感じると思います。免疫、つまり体内の抗体は細菌達に曝されないと出来ません。別に大量じゃなくていいのです。いつもの生活の中でいいのです。私はそんな細菌達と主人公のように会話したいと思ってます。