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微生物が見える主人公のちょっと奇妙な青春ドラマ
「もやしもん」は漫画家・石川雅之によって描かれた微生物をテーマにした独特のマンガです。
農業大学を舞台に主人公の沢木総右衛門直保が、微生物を肉眼で見れる特殊能力を持っているという設定で、斬新なストーリーが展開されます。
本作の最大の魅力はなんといっても、微生物学という学問をマンガであつかいエンタメとして見事に昇華している点です。
・酵母、乳酸菌、カビなどの微生物をキャラクター化
・そのキャラたちがわかりやすく解説
・人情味あふれる感情や言葉遣い
上記のように、理解しやすいようにたくさんの工夫が施されています。
また本作は「食文化や農業」「環境問題」といったテーマも取り扱っており、単なるマンガというものではなく、社会に対しての問いかけを投げかけている作風です。
一方で、専門的な内容が多いため科学や農業に興味のない人にとっては理解するのは難しいかもしれません。また、比較的展開がゆっくりなので、物足りなさを感じる読者も一定数出る可能性もあります。
しかし「もやしもん」は科学的な正確性とマンガとしてのストーリーの面白さを高いレベルで融合した稀有な作品と言えます。微生物という目に見えないものを可視化し、その魅力を伝えているので、息抜きに読むのも良し、教育マンガとして読むのも良しのオススメの作品です。