シャーマンキング / SHAMAN KING

シャーマンキング / SHAMAN KING

『シャーマンキング』とは1998年から2004年にわたって週刊少年ジャンプで連載された武井宏之の作品。通称は『マンキン』で、アニメ化もされた。1度は打ち切りになったが、約380Pの描き下ろしが追加された完全版が発売となり物語は完結した。霊と交流でき戦う能力を持つ「シャーマン」の少年・朝倉葉。彼はシャーマンの頂点「シャーマンキング」を目指し、500年に1度行われる「シャーマンファイト」に参加する。

シャーマンキング / SHAMAN KINGのレビュー・評価・感想

シャーマンキング / SHAMAN KING
8

バトルだけではないメッセージ性の高いストーリー

「シャーマンキング」は漫画家・武井宏之によって描かれた、シャーマンたちが戦い成長をしていく王道バトルマンガ。シャーマンと言われる霊能力者たちが”シャーマンキング”を目指して争うのですが、「シャーマンファイト」と呼ばれる戦いを通して主人公・麻倉葉とその仲間たちが成長していきます。

この作品の最大の魅力は、個性豊かなキャクターたちと独特の世界観。
世界各国特色のあるシャーマンたちが、それぞれの理由で戦います。自然を守るために戦う国もあれば、権力を手にいれるために戦う国もあり、現実世界でもあることを描写した画風は社会に大きな問いかけを投げかけました。



物語は単なるバトルマンガにとどまらず、「伝統と現代の融合」「社会への不条理」「弱者は強者の下につくしかない現実」など、さまざまなテーマも扱っています。

作者・武井宏之の画風もこの作品を知らしめた1つの要素と言われています。
シャーマンファイトで使われる「オーバーソウル」と言われる技の表現方法や迫力のあるバトルシーンの描写、ギャグタッチのコミカルなシーンまで、表現力の多彩さが際立ちます。


「シャーマンキング」は少年マンガの王道、バトル路線を進みながらも独特の世界観やメッセージ性の強さを持つ作品として多くの読者に愛されている作品と言えます。

シャーマンキング / SHAMAN KING
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あの世とこの世をつなぐ物語 SHAMAN KING

1998年に週刊少年ジャンプにて連載開始し2001年には約1年間にわたってアニメが放送された、武井宏之先生による作品『シャーマンキング』が2021年春に復活しました。

この作品の主人公は「麻倉 葉」。のんびりとした雰囲気を感じさせる少年で当時のジャンプ作品の主人公としてはかなり珍しタイプではないでしょうか。この葉くんはなんと、「シャーマン」という霊を見たり話をすることができる少年なのです。そして夢は500年に1度現れるという世界の救世主「シャーマンキング」です。葉くんは相棒の霊「阿弥陀丸」と共にシャーマンキングを決める戦いである「シャーマンファイト」に挑みます。

本作品の見どころは「キャラクター」や、キャラクターの持つ「思想」など様々ですが、特筆すべきは「O.S(オーバーソウル)」です。O.Sとはシャーマンが戦うために霊を用いて武器となるものを創造する特殊技術なのですが、武井先生によるそのデザインは少年から大人まで心に刺さること間違いなしです!

かつてその面白さながらもジャンプでは打ち切りとなってしまった『シャーマンキング』ですが、熱狂的なファンも多く2018年には講談社にて完結版として蘇ります。過去のアニメではオリジナル展開での結末となりましたが、2021年『SHAMAN KING』として復活した本アニメでは、真のラストを迎えることができるのでしょうか?そして過去のアニメで見られなかったキャラクター、戦い、O.Sも美麗な絵で見ることができるのでしょうか?期待したいです!

シャーマンキング / SHAMAN KING
10

リメイクや新ストーリー開始の話題の漫画シャーマンキング

少年ジャンプで連載していたシャーマンキング。霊と人間が力を合わせて500年に一度開催されるシャーマンファイトを通して多くの仲間や敵と戦うバトル漫画。
霊と人間が共に戦うという世界観が新感覚で面白く、すぐに作品に夢中になっていきました。
各キャラクターにストーリーがある点に読んでいくほど惹かれていく魅力を感じる作品です。特に、主人公と許嫁の出会いを描いている話が感動します。
連載中に完結することができず、数年後に完全版として単行本が発売し見事完結しました。多くのシャーマンキングファンを盛り上げました。そして、主人公の息子がメインとなるシャーマンキングフラワーズが連載し、前作のキャラクターが大人になった姿を見ることができる等、何年も愛され続ける作品です。
2018年にシャーマンキング20周年を迎え、新ストーリーが連載開始が決定し再びをファンを期待させ数年過ぎても盛り上がりを見せる漫画です。何年経っても続編が何度も出る漫画も非常に珍しく、年齢関係なく夢中になれるのがシャーマンキングだと思っています。オリジナルでアニメ化もされていて、担当している声優さんも豪華でキャラクターのイメージにも合っていると作者からも推されています。

シャーマンキング / SHAMAN KING
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メンタル低い時に元気が出る作品

とにかくゆるゆるで(あまりのゆるさに周りからつっこみをうけまくるほど)面倒な事や争いが大嫌いな主人公の麻倉葉(シャーマン修行中)にまず共感できて気楽に読みだせます。中学1年にして許嫁が居るけどこの許嫁のアンナが凄く怖く、シャーマンキングになって楽をさせてもらう為ビシバシ修行させ冷血な言葉を連続で浴びせてきます。
でもそれは中盤で語られる2人の小学生時の出会いの番外編で納得いきました。シャーマン能力と言う特異な能力を持った為に対人関係で苦労し友達が居なかった麻倉葉と人の心を読める為人を憎むようになったアンナ。麻倉葉があんなに頑ななアンナの心を徐々に溶かしていく過程はじんわり来ます。またこの番外編で初登場した麻倉葉の初めての1000年以上生きた猫の持ち霊マタムネ。マタムネは宿敵ハオのかつての持ち霊で過去にハオを倒し心を分かってあげられなかった負い目もあり麻倉葉を助言しますが、マタムネの飄々としつつも大事な所はびしっと決めるキャラ性と麻倉葉とのやりとりが堪りません。個人的名台詞は「大切な事は心で決めなさい」…迷った時に心に浮かぶセリフです。
他にも数々のタイプのシャーマンや持ち霊キャラが登場しシャーマンキングを決める為に多くの戦いを経ていきますが、完全版の最終巻の母親を失い母親を探し続けて人も憎み続けてきたハオを、今迄関わってきたキャラ全員が全力で助けた末に最後に漸く母との再会。これを見た瞬間武井先生本当にじんわりする最終回をどうもありがとうと心底思いました。
30巻越えの長期連載の中中だるみな所は若干あるもののメンタルな名台詞が数多くあり、作者特有のギャグも満載でシリアスとギャグバランスのいい名作品です。残念な点は過酷作業の為か最終回前のはっきりとした絵の劣化ですが、完全版描き下ろし部分は絵がとても綺麗です。