愛が大事
近未来の壮大な宇宙を舞台に、宇宙とは?仕事とは?命とは?を問う人間にとって大事なものが詰まっているマンガです。主人公の星野八郎太(通称:ハチマキ)の人間として成長していく様、前半の葛藤や苦悩などがとても狂気的でゾッとするくらいの迫力で、このままダークサイドに堕ちていくのかな?と読者は思ったはずです。しかし、周りの個性的なキャラクターと関わったり、壮大な宇宙を感じることによってハチマキは成長していきます。
宇宙という、壮大な舞台なのにこのマンガの一番のテーマは「愛」。宇宙からみたら人間なんてちっぽけな存在なのに、そのちっぽけな存在の「愛」が宇宙空間にとって大事なものになっている。「愛」ってこんなにも身近にあるのに、とても遠い宇宙でも通じるパワーがあり神聖なものだと気づきます。
終盤の恋人である「タナベ」とのしりとりでの告白シーンは読者も同じ宇宙空間にいると思うくらい、優しくて全ての感情を包み込んでくれます。もはやマンガをこえて哲学書と言っても過言ではないはずです。
全4巻という決して多くない巻数ですが、中身はとてもボリュームがあり、読み応えがあって、そして何回読んでも飽きません。そんなマンガ『プラネテス』で愛を体験してはいかがでしょうか?