キングダム 大将軍の帰還

キングダム 大将軍の帰還

『キングダム 大将軍の帰還』とは、2024年公開の日本の映画。原作は原泰久の漫画『キングダム』で、映画『キングダム』シリーズの第4作目である。監督は佐藤 信介、出演は山﨑 賢人、吉沢亮、橋本環奈など。「馬陽の戦い」で敵将を討った信たちの前に趙国総大将が姿を現した。圧倒的な力を前に為す術もない飛信隊は、致命傷を負った信を守るべく決死の脱出を試みる。

キングダム 大将軍の帰還のレビュー・評価・感想

キングダム 大将軍の帰還
10

決して忘れられない戦い

原泰久原作の人気マンガ『キングダム』の実写映画第4弾。
シリーズ集大成となる今作は、前作の『キングダム運命の炎』のラストから繋がる馬陽の戦いが舞台。前作のラストに突如として現れた、自らを武神と名乗る龐煖(吉川晃司)の圧倒的な強さに翻弄される飛信隊。秦軍と趙軍の先の読めない戦いの行方。王騎(大沢たかお)と龐煖との因縁。仲間の死。

今まで以上に壮大なスケールと、思いがけない王騎のエピソードに胸が痛み、目の離せない展開にハラハラし心が躍る。
極め付けはタイトル通り、大将軍王騎の帰還への道のり。大将軍の大将軍たる姿と、どこか現代にも当てはめられそうな王騎の言葉の数々は胸に響く。
この馬陽の戦いをへて信(山崎賢人)はまた一歩、大将軍への道進めた姿の凛々しさも見逃して欲しくない。なんと言っても『キングダム』の魅力は大将軍を目指す信の一途な心の清々しさだなのだから。

今作でひと段落と見せて、何か企んでいそうな呂不韋(佐藤浩一)と、遠くから戦況を眺めていた李牧(小栗旬)がこの先どう秦国や信に絡んでゆくのか楽しみ。
さらなる物語の展開を堪能するためにも、この馬陽の戦いを描いた今作『キングダム 大将軍の帰還』は見逃せない。

キングダム 大将軍の帰還
8

原作読者は有無を言わさず見に行け!未読な者も見に行け!打ち震えろ

秦国が誇る天下の大将軍、戦国最強の武将王騎がついに戦場に帰還した。

王騎はその名声の現すまま、鎧袖一触の勢いで敵対する趙国の軍勢を打ち破るが、その夜突如、現れたのは自らを武神と称する謎の男・龐煖。

主人公信の率いる部隊は龐煖一人になすすべもなく敗れ、信、そして副長の羌瘣も龐煖の前に倒れ伏す。

映画はここから始まり、その興奮はとどまることなく衝撃のラストまで突っ走る。漫画版のクライマックスのひとつが、原作そのままに実写として完全再現されていた。

映画を観た感想は「大沢たかお(王騎役)腕ふてええ!演技うめえええええ!」「山崎賢人(主人公、信役)の表情やべえ!」「てか、龐煖役、誰かと思ったら吉川晃司かよ!アクションシーンうますぎだろぉ!」等々。興奮しっぱなしだった。

率直に面白い。
やはり原作に忠実に、というのは強い。原作のシーンはほぼほぼ取りこぼさずに実写化されていたと思う。
漫画のイメージに、実写の映像、環境音が上乗せされて、より強く情景が描き出されていた。
個人的に残念なのは田有が実写版にいないこと。原作読者としては田有ってひそかに羌瘣に恋慕してるのではとか思っているので、そのくだりがないのが残念だった。

そして多分、唯一だと思うのだが、原作になくて実写版にのみ盛り込まれているシーンがあった。
個人的にはここも良かったポイントで、いい伏線回収だと思った。

キングダム 大将軍の帰還
9

壮大な戦場を舞台に描かれる信の進化

映画『キングダム 大将軍の帰還』は、古代中国の壮大な歴史を背景にした迫力ある戦闘シーンと、深い人間ドラマが見事に組み合わさった作品です。主演の山崎賢人が演じる信は、若き将軍としての自己成長と責任をリアルに表現し、その複雑な感情の機微が観る者の心を強く打ちます。特に、彼の演技は成長の旅の中での決断と犠牲の重さを感じさせ、映画の深いメッセージを伝えています。

また、大沢たかおが演じる王騎は、彼の豊かな経験と深い人間理解が垣間見えるキャラクターで、その落ち着いたカリスマが戦場のシーンを一層引き立てます。彼の存在感は、映画に重厚な背景を与え、観る者を古代の戦争のリアリティへと引き込みます。

映画全体を通して、視覚的な美しさと技術的な完成度が高く、CGを駆使した戦闘シーンは特に見応えがあります。脚本も緻密で、キャラクターたちの葛藤や成長が巧みに描かれており、そのドラマチックな展開は観る者を最後まで画面に釘付けにします。『キングダム 大将軍の帰還』は、その壮大なスケールと感動的な人間ドラマで、多くの視聴者に感銘を与える作品となっています。
原作マンガのファンはもちろん、新たに『キングダム』の世界に触れる観客にも強い印象を与えるでしょう。キャラクターたちの葛藤や決断が、緻密な脚本と見事に同調し、高い緊張感が維持されています。
全体として、『キングダム 大将軍の帰還』は、アクションとドラマが見事に融合した、記憶に残る作品です。