烏は主を選ばない

烏は主を選ばないのレビュー・評価・感想

烏は主を選ばない
10

2024年春アニメ一番の面白さ

人が烏に変身できると言う設定、まるで平安時代のような世界観、NHK総合で土曜の深夜に放送という存在感の無さ。全てにおいて、2024年春に放送された他のアニメの華々しさに比べたら地味で仕方ない。でもでもぜひぜひ見て欲しい!ストーリーの作り込みの丁寧さ・巧みさは稀に見る出来。原作がものすごく良く出来ているからこその完成度の高さを感じられる。
絵面が一昔前の少女漫画の様ではあるけれど、世界観によくマッチしていて、CGを駆使した見せ方も上手。むしろ華々しさだけをウリにして、ストーリーが雑なアニメの多くなった昨今、地味でもコツコツとした真面目な作り手の心意気を感じる。突飛な設定に面食らうかもしれないが、描かれているのは昔から人間社会に頻発してきた憎悪とか権力争いとか、醜さ、悲しさ、人間の本質である。
音楽もこんな上流階級のしとやかな世界なのに、ギャンギャンエレキギターを掻き鳴らすロックのOP。この曲を合わせた製作陣のセンスに脱帽である。どれほど善良でしとやかに見えても、人の内面なんてものは、欲や悪意がギャンギャン掻き鳴らされてる渦なんだ、と気付かされるのだ。
かつて『千と千尋の神隠し』でハクを演じた入野自由さん、色気のあるハスキーボイスの田村睦心さん、他、皆さん静かでありながら内に炎を秘めた演技をされていて感動する。
毎回毎回、次回はどうなるんだろう?!と楽しみになるアニメだ。

烏は主を選ばない
9

大人気ファンタジー小説がアニメ化!『烏は主を選ばない』を紹介

2024年4月からNHKで放送されているアニメ『烏は主を選ばない』。同作は、2012年6月より文藝春秋で刊行された和風ファンタジー小説『八咫烏シリーズ』の1作で、漫画・小説共に読者の心を掴んだ人気シリーズ。日本神話に通じる世界観のため、壮大ながらもどこか馴染みがあってとっつきやすく、多くの人から愛されている作品です。
人間の姿に変身することが出来る「八咫烏」が生きる異世界・山内では、平安時代のような生活様式が取られていて、人々は朝廷によって統治されています。
平安時代でいう帝に当たる「若宮」の元へ東西南北の4人のお姫様たちが妃候補として宮殿に移り住み、誰を妻に娶るのかという側室たちのドロドロとした争いはもちろん、時には後目争いによって継母や兄との確執で若宮が命を狙われたり、東西南北にある有力貴族の政治や身分違いの恋が生まれたりするなど、至る所で絶え間なくドラマが生まれています。
若宮の側仕えとしてその人についた雪哉が若宮の元で働きながら、事件や政治に巻き込まれていく様子を見ていると、どの姫が若宮の妃となるのか、若宮は無事に金烏の座に着くことができるのかと、ハラハラドキドキさせられます。キャラクターたちも個性豊かで全員魅力的なので、ぜひ視聴してみてください!