完璧に合理的な主人公と死なない少女たちの化け物退治
イペリットという謎の生物に人類がほぼ絶滅まで追い詰められた世界の話です。イペリットによるものと思われるガスで人類の生息域も標高の高いごく一部のエリアに限定され、その最後の砦かもしれない研究所に主人公である1人の軍人がたどり着くところから物語は始まります。
主人公のデルウハはどうも食事にこだわりがあるようで食糧が尽きて死を選択しますが、ギリギリ死ぬ前に研究所に発見されました。研究所ではイペリットと対抗すべく造り出された怪力の少女たちが6名おり、軍事施設ではない研究所を守っていました。しかしそれを束ねることのできる者はおらず、思春期真っ盛りの少女たちは気難しく神経質で、また、自分たちを異物として距離を置く研究所の人間との関係もあまりよくありません。無軌道にめいめいにイペリットに向かい危なっかしい戦い方をし、死にます。
少女たちの怪力を目にした主人公はこれは素晴らしい戦力だと目を輝かせますが、何ともおそまつな戦い方とうっかりあっさり死ぬ有様をみて愕然とします。しかし研究所の所長は「彼女らは8時間後に蘇生する」と説明します。それを聞いた主人公はとても良いことを聞いたというように、彼女らの死と蘇生を意図的に操作し、イペリットに立ち向かいます。
死なない少女と合理的な軍人がお互いにお互いを振り回し振り回され、フィナーレに向かってどんどん話が展開していきます。何が正しくどこが狂っているのかすべてが正しいのか間違っているのか。全12巻、ずっと面白い漫画です。