ドラえもん のび太とふしぎ風使い

ドラえもん のび太とふしぎ風使い

『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』とは、2003年に公開されたドラえもん映画作品である。のび太やドラえもん達はある日、風の子供フー子と遭遇する。フー子を広い場所へ連れて行こうとどこでもドアで行き着いた先は風の民の村という草原地帯だった。てんとう虫コミックス『ドラえもん』第6巻に収録された短編作品が原案であるものの、本作品の舞台設定等は完全なオリジナルとなっている。また本作品から、絵コンテにおいてデジタル化やCGの起用があり、登場キャラクターや背景の動きが滑らかとなっている。

ドラえもん のび太とふしぎ風使いのレビュー・評価・感想

ドラえもん のび太とふしぎ風使い
8

野比のび太役の小原乃梨子さんの本気泣きが素晴らしい

2003年に公開された映画で当時幼稚園児だった私にとって初めて劇場で観たドラえもん映画です。

ふしぎ風使いのテーマはズバリ台風。
元々古来から封印されて眠っていた3匹の台風の化身達が、未来の悪の科学者によって解かれたことから物語が始まります。

その中でものび太達と出会ったヒロインが台風の子供・フー子。
見た目はまるでつむじ風にそっくりですが、持ち前のいたずらっぷりと可愛さを声優のかないみかさんが見事に演じて下さっています。
そんなフー子をドラえもん達は自作の人形にその姿を憑依させて、周囲にはただの人形であることにします。

内容は中略しますが、やはり見所は最後のシーン。
台風の魔神・マフーガが復活して地球上に巨大台風を巻き起こして、世界の危機が訪れかけます。

そんな中、フー子は台風の渦と反対に回ることで自らの生命とともにマフーガを消滅させようとするのです。
フー子のおかげでマフーガは消滅し、黒く澱んだ空は太陽の光で晴れ渡ります。

そして空からは、なんとフー子の魂が抜けた人形が安らかな顔をしてのび太の手元に舞い降りてきます。
そんなフー子の人形をのび太は泣きながら抱き締めるシーンが見所です。

そのシーンはアフレコ当時、小原さんの愛猫が危篤状態だったことをフー子に重ねて、ついつい本気で泣きながらアフレコに挑まれたそうです。
後日愛猫は本作の初日舞台挨拶の日に、長い闘病の末息を引き取ったそうです。

そんなのび太の泣きシーンまで最後まで楽しめる印象深い名作です。