スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース / Spider-Man: Across the Spider-Verse

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース / Spider-Man: Across the Spider-Verseのレビュー・評価・感想

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース / Spider-Man: Across the Spider-Verse
5

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のネタバレ有りレビュー

まず、結論から言っちゃいますと、凡作かつビックリするほど中途半端に終わります。
そんな中途半端な終わり方も、「次作の宣伝用の作品」と割り切って視聴する分には楽しめます。

前作はシンプルなストーリーゆえにテンポが良く疾走感があり、それが面白さに直結していたのですが、今作には、その疾走感があまり感じられませんでした。

問題点はいくつかあるのですが、ざっくりと例を上げるとするなら、今作は「マルチバース」に焦点を当てすぎていること、「全てのスパイダーマンが背負う運命にあらがう」をテーマにしていることが問題ではないでしょうか。
主にこの2点によりストーリーが複雑化してしまい、前作ほどの疾走感を感じる事ができず、中途半端な終わり方と相まって視聴後は、モヤっとした感覚を残してしまうため、合間の「面白い」ところ「悪い」所が合わさり、結果的に良くも悪くも「凡作」だなと感じました。
前作の出来が良すぎたのと、間が長く空いたため、期待値が勝手に上がり、どうしても厳しい目で見てしまいます。

ただ、「良い部分」もきちんとあり、今作もアメコミのような演出の完成度も高く、旧キャラクター達も前作からの時の流れを感じさせるデザインだったりと、アニメ映画としては十分な出来だと感じました。
終盤も「グウェンとマイルスのこんな、すれ違いかたあり⁉」などの驚きもありました。

そもそも「素材」自体が良いが故に、「普通」に楽しむことができる作品なので、見て損はしないと思います。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース / Spider-Man: Across the Spider-Verse
8

2023年上半期ベストアニメ映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」について

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」はソニーピクチャーズアニメーションが制作したアニメーション映画です。
本作品はスパイダーバースシリーズの2作品目にあたるもので、1作品目である「スパイダーバース」の続編になっています。
ストーリーとしましては前作、スパイダーバースにて偶然スパイダーマンとなった主人公であるマイルスは、他の次元つまりマルチバースから来た5人の様々なスパイダーマンと共に無事世界の危機を救い、しばらくスパイダーマンとして活躍しているところからスタートします。
スパイダーマンとして活動していたある日、ヴィランである「スポット」が原因で、かつて一緒に戦った他の次元のスパイダーウーマンであるグエンと再会します。
そしてグエンからスポットが他の次元にも悪影響を及ぼすことと、マイルスの復讐としてマイルスの世界を滅ぼそうとしていることを聞かされます。
マイルスは自分の愛するものを守るためにもスポットの追跡を開始します。
マイルスのマルチバースを股にかけた戦いが始まりを告げた…というものになっています。

本作品の魅力はなんといってもアニメーションでしかできない映像表現にあると思います。他の次元を違うアニメーション技法で表現するというのは前作からやっていたことですが、今回は様々なマルチバースを渡り歩くということもあり、背景美術にいたるまでアニメーションのレベルが段違いにスケールアップしています。
そんな見ごたえのある作品「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」ですが、あくまでもこの作品は前編の作品であり、後編の作品は「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」ですので、その点には注意が必要です。
ただ圧巻アニメーション技法、濃密なストーリーが楽しめる作品になっていますので、とてもおすすめできる作品です。