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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のネタバレ有りレビュー
まず、結論から言っちゃいますと、凡作かつビックリするほど中途半端に終わります。
そんな中途半端な終わり方も、「次作の宣伝用の作品」と割り切って視聴する分には楽しめます。
前作はシンプルなストーリーゆえにテンポが良く疾走感があり、それが面白さに直結していたのですが、今作には、その疾走感があまり感じられませんでした。
問題点はいくつかあるのですが、ざっくりと例を上げるとするなら、今作は「マルチバース」に焦点を当てすぎていること、「全てのスパイダーマンが背負う運命にあらがう」をテーマにしていることが問題ではないでしょうか。
主にこの2点によりストーリーが複雑化してしまい、前作ほどの疾走感を感じる事ができず、中途半端な終わり方と相まって視聴後は、モヤっとした感覚を残してしまうため、合間の「面白い」ところ「悪い」所が合わさり、結果的に良くも悪くも「凡作」だなと感じました。
前作の出来が良すぎたのと、間が長く空いたため、期待値が勝手に上がり、どうしても厳しい目で見てしまいます。
ただ、「良い部分」もきちんとあり、今作もアメコミのような演出の完成度も高く、旧キャラクター達も前作からの時の流れを感じさせるデザインだったりと、アニメ映画としては十分な出来だと感じました。
終盤も「グウェンとマイルスのこんな、すれ違いかたあり⁉」などの驚きもありました。
そもそも「素材」自体が良いが故に、「普通」に楽しむことができる作品なので、見て損はしないと思います。