作りたい女と食べたい女(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『作りたい女と食べたい女』とは、ゆざきさかおみによって描かれた漫画、及びこれを原作としたテレビドラマ作品である。女性同士の恋愛をテーマにした作品で、女性らしさに縛られることの苦しみを食べ物に絡めて描いている。 「作りたい女」野本ユキと、「食べたい女」春日十々子の出会いから、セクシュアリティに向き合うまでの過程などを描いた繊細ながらも芯のある力強い作品だ。
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『作りたい女と食べたい女』とは、ゆざきさかおみによって描かれた漫画、及びこれを原作としたテレビドラマ作品である。女性同士の恋愛をテーマにした作品で、女性らしさに縛られることの苦しみを食べ物に絡めて描いている。
「作りたい女」野本ユキと、「食べたい女」春日十々子の出会いから、セクシュアリティに向き合うまでの過程などを描いた繊細ながらも芯のある力強い作品だ。
少食だけど、料理が大好きで大量に作ってみたい野本さんと、食べっぷりの良い春日さん。同じマンションの2軒隣に住んでいる女性ふたりがひょんなことから出会い、食事を共にするようになる。
作った食事を美味しく食べてもらううちに春日さんへの思いを自覚する野本さん。そして、春日さんも家族への複雑な思いを解きほぐしてくれる野本さんとの時間を大事に思うようになっていく。
野本さんは、ただ異性が好きじゃないだけなのに、「みんな」と違う、「この世って多くの人を納得させるために決められた『型』があって」それ以外の形であることは許されないのか。と悩む場面も、どこかしら共感する人が多いのではないかと思う。
春日さんの実家の父が「おんなは〜」と、昔ながらの価値観をふりかざした電話をかけてくる場面の描写も最高にリアルで良い。この令和の時代でもこういう旧態依然とした価値観、あるよね。それに男も女も苦しめられているよね。
でも、そんなしんどい思いも、美味しい料理が包み込んで立ち向かう力をくれる。
料理の美味しそうな描写はもちろん素敵だが、女性ふたりの食事を通した恋愛がほのぼのして最高に癒される。
女性の生きにくさやLGBTQについても、重いタッチではなく触れられているのも良い。
NHKでもドラマ化された話題の本作。ぜひ読んでみてほしい。
主人公はSNSで料理の写真をアップしている女性会社員。見栄えが良い料理でフォロワーからも好評ですが、本人が本当に作りたいのはアニメの再現レシピや大盛の料理でした。少食ゆえに作ることを渋っていたところ、マンションの二つ隣に住んでいる女性が大食いであることがひょんなことから判明、いつしか料理を提供する人とそれを食べる人としての関係性が出来上がっていきます。
料理を中心としている漫画ではありますが、それ以外にもマイノリティについて焦点を当てているのがこの漫画の特徴です。レズビアンであることを自覚する主人公、実家で女という理由で扱いの差を受けてきた人、極端な少食であることを理解されない人など、様々なマイノリティを持った人物が出てきます。とても真に迫った描写で、人によっては気分を害するかもしれません。しかし、フィクションではなく実際にいるのだろうと考えさせられるようなストーリーとなっており、自分の身の回りにもそういった人たちがいるのではないかと新たな視点を増やしてくれる漫画です。
料理についても地方グルメや大盛グルメなど、いろいろなパターンの料理が描写されていて、またおいしそうに食べる「食べたい女」のかわいらしさも魅力です。それを見て満足気にしている「作りたい女」との関係性が見ていて応援したくなります。
2022年12月時点で3巻までが発刊されており、これからのストーリーに注目したいです。