日本の夜と霧
『日本の夜と霧』は、大島渚監督による1960年に公開された日本映画である。脚本は大島渚と石堂淑朗。出演は津川雅彦、渡辺文雄、桑野みゆき他。大島は映画『夜と霧』(1956年)に影響を受け本作を制作した。
舞台は安保闘争で知り合った新聞記者の野沢晴明と女子学生の原田玲子の結婚式会場。そこへ野沢の旧友である宅見、逮捕状の出ている太田が乱入したことで、昭和25年からの学生運動の陰で起こった様々な事件の真相が暴露されることとなる。闘争を捨てて家庭の幸福へ逃げ込むか否かを問うこの2人の乱入により、結婚式会場は世代や政治的立場を超えた討論の場となっていく。
カット割りのない長回しの多用や、回想シーンへのダイナミックな切り替わりなど多様で個性的な演出が随所になされている。
安保闘争をテーマにした、映画全編を通して過激な政治論争が展開される作品だが、公開からわずか4日後に映画会社が不入りを利用に大島渚監督に無断で上映を打ち切り、監督が退社するという事件が起きた。公開4日目に17歳の右翼少年による浅沼稲次郎暗殺事件が起きたのも原因と言われている。
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