スカーフェイス

スカーフェイスのレビュー・評価・感想

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スカーフェイス
8

夢と闇のはざまが描かれた名作

『スカーフェイス』は、1983年に公開されたアメリカ映画で、主演はアル・パチーノです。この映画は、キューバからアメリカにやってきた男、トニー・モンタナの物語を描いた作品。トニーはアメリカで成功を夢見ていますが、彼の方法はとても危険で違法です。
物語は、トニーがマイアミに到着してから始まります。彼はすぐにアメリカの裏社会に関わるようになり、麻薬取引を開始。トニーは賢く、勇敢ですが、彼のやり方は非常に暴力的です。彼はどんどん力をつけていき、やがて麻薬王としての地位を確立します。
しかし、トニーの成功は長くは続きません。彼の暴力的な方法は多くの敵を生み出し、最終的には彼自身にも危険が及びます。映画はトニーの人生がどのように破滅へと向かっていくかを見せています。

『スカーフェイス』は、アメリカンドリームの暗い面を描いた作品です。トニー・モンタナは成功を夢見ますが、その方法が彼を破滅へと導くという、強烈なメッセージを持っています。
アル・パチーノの演技が非常に印象的で、彼のキャラクターの強さと脆さを見事に表現しています。
この映画は、暴力や犯罪が多いため、見る人を選びますが、アメリカでの成功と失敗、道徳的な選択について考えさせられる作品です。特に、若い人々が成功を目指す際にどのような道を選ぶべきか、という重要なテーマを考えるきっかけを与えてくれます。

スカーフェイス
10

ギャング映画の金字塔 来たれ超肉食男子!

アル・パチーノ主演の1983年の映画であり、1932年の「暗黒街の顔役」のリメイク作品です。
映画の題名のスカーフェイスとは実際に存在したシカゴギャングのアル・カポネの通り名でもあります。
それもそのはず「暗黒街の顔役」はアル・カポネをモデルにしています。
本家の「暗黒街の顔役」では1930年代、禁酒法時代のアメリカで暗躍したギャングを題材にしていますが、
「スカーフェイス」公開時の1980年代はキューバからアメリカ(フロリダ州マイアミ)への麻薬の密輸が深刻な社会問題なっていました。
80年代のマイアミでは現実でもキューバからの移民2世が麻薬ビジネスに手を染めていました。
本作の見どころは何と言っても主役アル・パチーノの迫力の演技です。
1972年のゴットファザーPART1では、とてもマフィアの一族とは思えない上品でしたたかな役柄で自分の本心見せない役柄でした。
一言でいえば草食男子(話が進むにつれ変わってきますが)。本作ではとにかく欲望に正直な超肉食男子と言った所です。
自分がのし上がる為には手段を選ばず、欲しいものは奪ってでも手にいれる。
そう、「世界はあなたの物」と言わんばかりの立ち振る舞い。
そんな彼には何が待っているのか…

スカーフェイス
10

アル・パチーノの不滅のかっこよさ!

ブライアン・デ・パルマ監督作品。脚本:オリバー・ストーン。

キューバ移民の青年トニー・モンタナ(アル・パチーノ)が、親友マニー(スティーブン・バウアー)と共に、コカインの密売で成り上がっていく姿を描いたバイオレンス巨編。

今年、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督によるリメイクも決定した本作は、上映時間170分に及ぶ大作です。1932年制作の「暗黒街の顔役」のリメイクでこちらでは、禁酒法時代の酒の密売が描かれていたのに対し、本作では80年代のコカイン密輸やキューバ移民といったタイムリーな題材に変わっています。単なるアクション映画ではなく、社会的メッセージを含んだ重厚なドラマでもあります。また、ヒップホップの世界にも多大な影響を及ぼし、ラップでは盛んに言及されていますし、シュプリームから本作のポスターがデザインされたシャツも発売されました。ゲームソフト『グランド・セフト・オート』も『スカーフェイス』から影響を受けて制作されました。
本作は暴力的な描写が多々あり、観る人を選ぶ作品です。電動のこぎりで頭を割られる場面、ヘリコプターから首つりといった描写は、公開当時でさえ問題視されました。グロテスクな描写が苦手な方は鑑賞を控えたほうがよいでしょう。