踊る大捜査線 THE MOVIE / 湾岸署史上最悪の3日間!

踊る大捜査線 THE MOVIE / 湾岸署史上最悪の3日間!のレビュー・評価・感想

踊る大捜査線 THE MOVIE / 湾岸署史上最悪の3日間!
7

まだおもしろい

踊る大捜査線の映画版第1作目です。大筋の警察幹部誘拐事件が結構よくできてるし、勝手に動くなと言われているわくさんが勝手に動いて足で稼ぐ必要性を語ってるし、わくさんと幹部の関係が青島くんと室井さんの関係の未来になってるし、なかなかおもしろかったです。映画版はだんだん事件が大げさになってるというか、犯人がいつも若者とかインターネット使う人とか、よくわからない理由とかで乗れなくなっていきますが、本作は本当にただの子供、あんまり考えなしで事件を起こしたのがわかるし、あまり気になりませんでした。湾岸署の面々の日常シーンもこれぞ踊るって感じでファンが見ていて楽しいし、事件は現場で、、、のセリフも青島くんっぽい、よくできた名言だと思います。まあ、小泉今日子さんの役どころがねえ、気になるっちゃあ気になります。まず、なんで自ら湾岸署に来たのかわからないし、ハンニバルのレクター博士みたいなことをしたかったんだろうけど、あんま青島くんにヒントも与えてないし、あの会話でなぜ恩田さんが子供とわかったのかわかりません。映画だから、でかい事件をと思ったのでしょうが、別にいらなかったかなと思いました。ともかく、まあ1作目はまだおもしろい映画になってると思います。

踊る大捜査線 THE MOVIE / 湾岸署史上最悪の3日間!
10

現場で働く兵隊とその上に立つ指揮官の警察という組織を舞台にした友情

もう語り尽くされた感があるが、仕事をしたことがある人間なら誰でも味わう思い、社会の矛盾や世の中というものがコミカルに、また鋭く描かれている作品である。とにかく現場は忙しい。これが仕事かと思うような雑用が次から次へと降ってくる。それらをこなしていくうちに仕事ができるようになっていくのだが、最初から大きな仕事などは任せてもらえない。下積みを3年、5年と続けてやっと一人前になってゆくのだ。これは刑事や警察という物語ではなく働くすべての人へのメッセージではないだろうか。警察でさえキャリア、ノンキャリアで進む進路は違ってくる。室井がこぼす「正しいことができないんだ、自分のポリシーも貫けない」というのは管理職になったものなら誰もが味わう板挟みや上司からの圧力だろう。
結局仕事で一番の功労者も兵隊であるがゆえに事件解決ですべて終わりになり、その身は誰にも心配されない。そうあってはならないという社会の希望が室井という存在なんだと思う。組織は大きくなってゆくといつの間にかその本来の存在意義や理想のあるべき姿とは別の所で物事が決められ動いてしまうようになる。その地位や権威がどう機能するかや何のためにあるかよりも、それらが存続することが目的になってしまうのだ。つくづく仕事のできる人というのは必ずしもその待遇や地位には比例しないという真理が私の中で強くなった。たかが仕事、されど仕事である。

踊る大捜査線 THE MOVIE / 湾岸署史上最悪の3日間!
5

猟奇殺人があんまり…。

今から見ると、変だなってところは多々ありますが、踊るっぽさ全開で楽しかったです。湾岸署の面々はいつもと変わりなくて、そうそうこういう雰囲気だったよなと懐かしくなりました。
和久さんと副総監との関係が、青島くんと室井さんの関係とリンクして見えたりして、そこらへんもよくできてるなと思いました。警察内部を変えるのは、2世代に渡っても無理だった。それだけ大変なことなのですね。それでも室井さんを信じる青島くんはすごいなと思います。映画シリーズは2人の関係性があまり描かれなくなっていくので、この回は貴重です。すみれさんも、いつものように毒舌ででもかわいらしかったし、スリーアミーゴはいつものごとくふざけてました。領収書破棄とかひどいです。事件の方は誘拐事件は、結構良かったんですけどね。副総監をさらった理由もよかったし、犯人たちもふざけた感じでよかったです。
猟奇殺人のほうがあんまりよくなかったです。羊たちの沈黙とかセブンぽくしたかったんでしょうが、うまくできていないって感じでした。中盤で小泉今日子が自分から警察署に行く意味がわかんないし、やりたい場面をつなげただけって感じがしました。映画だし、派手にしたいんでしょうが、もう少しシナリオを練ってほしいです。