自らの反抗期を思い出す
もともと原作の書籍を読んでいたので、凡その内容は予想通りでしたが、お弁当のビジュアルの美しさに焦点が当てられる書籍に対して、本作は、主人公である母親と娘の親子愛がよりリアルに感じられる作品でした。
我が儘で言いたい放題の娘を見ていると、子育てがいかに面倒くさくて大変かを考えると同時に、自分にもこんな時代があって、親を散々悩ませたのだと痛感させられます。子育てとはどうあるべきかを考えさせられる内容で、これから親になる人にも、反抗期真っ只中の学生にもオススメです。
言いたいことがあっても、面と向かって言うのは気恥ずかしい。手紙だとウザがられて読んでもらえない。だから、日々のお弁当で伝えるというのは、母親らしい素敵アイディアだと思いました。毎日、ご飯は食べるわけだから、嫌でも目にすることになるし、工夫の仕方によっては、キャラ弁の力で一目でダイレクトに伝わるのだから。
言葉では「嫌がらせ」と言っても、結局は、母親は何かに没頭することを楽しみ、娘も次にどんなものか楽しみにしてたのではないでしょうか。ベタですが、最後のお弁当には泣かされました。劇中のお弁当はどれもクオリティの高さに驚きますが、もし、自分の親が弁当作りに夜通し励み、体壊してしまうようなら、止めてあげたいところです。