六三四の剣

六三四の剣のレビュー・評価・感想

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六三四の剣
9

最高のスポ根漫画

昭和の古い漫画で、スポ根系漫画です。6月3日の4時に生まれたので六三四と名付けられた夏木六三四という少年が剣道を通じて心身共に成長してゆくストーリーです。ストーリーは生まれてから高校3年のインターハイ(全国高校総体)で優勝するまでのものです。日本一の剣道家の父と母の影響で剣道を始めますが、父が全日本剣道選手権大会で見事2連覇を勝ち取ったあと、準決勝での宿命のライバル東堂国彦から受けた突きによる場外転落で後頭部を強く打ち付けたことが原因で、命を落としてしまいます。

父を失った失意や恨みなどで剣道と向き合えない時期もありましたが、父を死に追いやってしまった東堂国彦の息子である東堂修羅の真摯に剣道に向き合う姿を見て、自身の本当のライバルが修羅であること、そして自分が目指してゆくものをまた見出すことが出来るようになります。六三四にとって宿命のライバルである修羅との小学校から高校までの全国大会での壮絶な戦いが見ごたえです。スポ根とはいえ途中恋愛的なものが入って来たり、六三四が試合中に相手選手に大怪我をさせてしまうことで己を見つめ直すために剣道部を退部して武者修行に出たり、ただのスポ根漫画とは一風異なった人間味溢れる展開が魅力的な漫画です。

六三四の剣
10

剣道漫画の金字塔!

古い漫画ですが、これを読んで剣道を始めた方は多いはず。
剣豪の両親の元、6月3日4時に生まれたことで命名された六三四君。
小さい頃からその恵まれた環境と、血筋による才能を発揮します。
とても良い子で、正義感、類まれな闘争心を持ち合わせているものの、つい行きすぎて破天荒な言動になることもしばしば。
数々の武勇伝を繰り返し、ついには通っている小学校でボスになります。
剣道の方も向かうところ敵なしですが、ついに強敵が現れます、しかもなんと女の子。
嵐の日に生まれたことで「嵐子」と名付けられたその女の子も、六三四と似た環境に生まれ、小学生の大会では決勝戦であたり、六三四の見たことのない「片手面打ち」で1本をとります。
足を痛めながらもかろうじて辛勝した六三四ですが、その後も2人のライバル関係は続きます。
中学、高校と人格的にも成長していく六三四君ですが、この小学生の時期はとにかく熱くて、その純粋さに心を打たれます。
少し古い漫画ですが、キャラクターもそれぞれとても個性的で、絵もとても綺麗で細かい部分まで丁寧に書かれているので、今でも十分いろんな人に楽しんでもらえる作品です。
もちろんストーリーも最後まで面白く、何度読んでも飽きません。