六三四の剣

六三四の剣

『六三四の剣』(むさしのけん)とは、村上もとかによる日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメやゲームなどのメディアミックス作品である。1981年から1985年にかけて『週刊少年サンデー』にて連載され、第29回小学館漫画賞少年部門を受賞した。剣道を題材にした正統派のスポーツ少年漫画であり、作中では岩手の方言を織り交ぜた会話描写なども特徴となっている。1985年にはエイケン制作によるテレビアニメ化がなされ、全72話が放送された。
本作は、岩手県を主な舞台に、剣道一家に生まれた主人公・夏木六三四が、幼少期からの剣道を通じた体験や父の死を乗り越え、ライバルである東堂修羅らとの切磋琢磨や対決を経て成長していく姿を描く。ストーリーは小学生時代と、成長して武者修行やインターハイ優勝を目指す高校生時代の二部構成で展開される。
ラブコメディが全盛であった連載当時の潮流において、スポ根や少年の成長、親子愛、ライバルとの宿命といった古典的少年漫画の要素を集大成した作品として高く評価された。地味になりがちな剣道の試合展開を正確かつ迫力豊かに描写し、「剣道漫画はヒットに恵まれない」とされていた当時の評価を覆した。

nojakeiのレビュー・評価・感想

六三四の剣
9

最高のスポ根漫画

昭和の古い漫画で、スポ根系漫画です。6月3日の4時に生まれたので六三四と名付けられた夏木六三四という少年が剣道を通じて心身共に成長してゆくストーリーです。ストーリーは生まれてから高校3年のインターハイ(全国高校総体)で優勝するまでのものです。日本一の剣道家の父と母の影響で剣道を始めますが、父が全日本剣道選手権大会で見事2連覇を勝ち取ったあと、準決勝での宿命のライバル東堂国彦から受けた突きによる場外転落で後頭部を強く打ち付けたことが原因で、命を落としてしまいます。

父を失った失意や恨みなどで剣道と向き合えない時期もありましたが、父を死に追いやってしまった東堂国彦の息子である東堂修羅の真摯に剣道に向き合う姿を見て、自身の本当のライバルが修羅であること、そして自分が目指してゆくものをまた見出すことが出来るようになります。六三四にとって宿命のライバルである修羅との小学校から高校までの全国大会での壮絶な戦いが見ごたえです。スポ根とはいえ途中恋愛的なものが入って来たり、六三四が試合中に相手選手に大怪我をさせてしまうことで己を見つめ直すために剣道部を退部して武者修行に出たり、ただのスポ根漫画とは一風異なった人間味溢れる展開が魅力的な漫画です。