遠い空の向こうに / October Sky

遠い空の向こうに / October Skyのレビュー・評価・感想

遠い空の向こうに / October Sky
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ロケットに魅せられた

とても感動しました。ロケットに魅せられ、それに青春をかけた高校生の話です。父親は炭鉱の現場の偉い人で、その街では大体の男が炭鉱で働きます。でも、炭鉱の仕事は廃れていっていて、父も辛い立場です。だから、息子の絵空事のようなロケット開発を素直に応援できなくてってのが切なかったです。応援できないといってと発射台のセメントをあげたり、まあ実は応援しているんですけどね。一度、父が怪我をし、息子が高校を辞めて炭鉱で働くという場面もありました。
ロケットもすごくうまくいっていて科学コンテストにも出れそうだったのに家庭の事情で高校を辞めなきゃなんて悲しいなと思いました。ほんと勉強できることは幸せなことなんですね。彼だけでなく、他の仲間もみんなそれぞれ辛いことを抱えていて、そこがまたよかったです。それでも、諦めない姿に感動しました。私も宇宙って好きですが、ほんとにロケットに魅せられたんだなと思いました。
あの時代はロシアがスプートニクを飛ばしたり、ロケットが現実になってきたときです。そんなときにロケットを実際に見たら、たしかにすごく魅せられるのかもなと思いました。学生時代ってスポーツできる人が花形ぽいけど、文化系でも青春できるし、かっこいいと思わせてくれる映画です。若者にぜひ見てほしいです。

遠い空の向こうに / October Sky
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地味目男子の甲子園

炭鉱の町で、ロケットづくりに明け暮れた青春の話です。その町は貧乏で、大学に行けるのはスポーツ奨学金をもらえる人だけみたいなところで、科学発表会での優勝、奨学金を目指すみたいな話で、スクールカーストでいえば下の方の地味目男子が活躍する話なので、共感できました。スポーツみたいに、ぱっと見、派手ではないし、頑張りも分かりにくいかもしれませんが、ロケットづくりだって、めっちゃ頑張ってるし、努力しているし、そういう青春もありだと思いました。よく、さくらももこさんが私も絵を描いて描いて描いてたけど、あまりほめられなかったみたいなこと言っていましたが、ほんと、世の中はスポーツに目を向けすぎです。勉強のほうでも、青春映画は作れると分かった映画でした。出てくる大人も素敵で、主役のお父さんは、炭鉱を愛しているし、だから息子にもついで欲しいと思っただけだし、2人がぶつかるのもよくわかるなと思いました。先生は、あまり自信のない生徒にも、ヒントを与えてくれたりして、いい人だし、ああ、なんでいい人が早く亡くなってしまうんだと思いました。ロケットが空を飛ぶ場面では興奮しますし、ぜひ、子どもに見せたいなと思う映画です。