日本沈没
小松左京の大ベストセラーの映画化。
最初に映画化された方の作品、日本列島の各地で異常な現象が相次いで起きている。地震学者の田所博士が警告をするが、誰も聞き入れない。逆に不安を煽っていると言われてしまい変人扱いに。しかし、時の総理大臣は田所博士を信じて、日本近海の調査を命じる。続々と入ってくるデータには、明らかな異常が認められた。一刻の猶予もならないと、総理は決断する。国民の命を守るために次々と手を打って行くが、1億2000万人の命を救うには問題がありすぎて、とても不可能。受け入れてくれる国は少ない。国土の広い国ならともかく、政治体制の違い、宗教も違う、文化も違う、民族性も違う、悩みに悩む総理と田所博士。ある老人に会いに行く。不思議な老人だ。まるで仙人のような老人が言う。いっそのこと日本人は、島とともに死ぬべきと。それが日本人にとって1番幸せなことだと。日本に生まれ、日本で死ぬ、日本人にはそれがふさわしいと。私はこの場面を見て、泣いてしまいました。当時10代でしたが、このセリフに胸が詰まりました。
ドラマも素晴らしい。特撮も目を見張るよう出来映え。日本映画史に残る名作。今見ても色あせることはない。
草薙剛版の映画も見ましたが、この作品には遠く及びません、残念でした。
監督・森谷伺朗、主演・小林桂樹・丹波哲郎・藤岡弘・いしだあゆみ。