1945年、硫黄島の激戦を日本側の視点から描いた『硫黄島からの手紙』
『硫黄島からの手紙』は2006年公開のアメリカの戦争映画(作中では日本語が話されています)で、監督と共同製作がクリント・イーストウッド、主演は渡辺謙ほか。映画は、日本兵の視点から硫黄島の戦闘を描いたもので、米側の視点から描かれた『父親たちの星条旗』の姉妹作にあたります。『硫黄島からの手紙』に出演するのはほぼ日本人俳優だけですが、製作会社は米国です(ドリームワークピクチャーズ、マルパソプロダクション、アムブリンエンターテインメント)。『父親たちの星条旗』が商業的な成功を収めた後で、パラマウント映画は米国での配給権をワーナーブラザーズ映画に売却しました。映画の日本公開は2006年12月9日で、第79回アカデミー賞を意識した米国での限定公開は同20日でした。同賞では最優秀作品賞を含む4部門でノミネートされ、最優秀音響賞を射止めました。翌年1月12日に米国での公開地域が拡大され、1月19日に全米封切りとなりました。英語の吹き替え版は2008年4月7日にプレミア公開。本作は批評家からは好意的な評価を獲得し、姉妹作よりも若干良好な興行収入を達成しました。
2006年、日本人の考古学者が硫黄島の洞窟を探索中に瓦礫の中に何かを発見しました。場面が1944年の硫黄島に転じると、西郷一等兵と彼の所属小隊は島の海岸に壕を掘っています。栗林忠通中将が硫黄島駐屯軍の指揮を執るために島に到着すると、島の防御施設の視察を即座に開始しました。