じゃあ、君の代わりに殺そうか?

じゃあ、君の代わりに殺そうか?のレビュー・評価・感想

じゃあ、君の代わりに殺そうか?
9

親友と深みに堕ちていく主人公、この先の展開が見逃せない。

主人公・藤倉優馬はいじめられっ子だったが、ある日雨里涼という同級生が助けてくれる。そして二人は親友になるのだが、雨里の行動がどんどんエスカレートしていく。優馬をいじめていた主犯を自宅の地下に監禁してみたり、拷問を加えたりと、中々のサイコパス感を醸し出している。この雨里という男は一体何がしたいのか…。といった内容である。
見どころとしては美しい友情。度を越えているところもあるが、親友のためにここまで動ける人は世の中にはそうそういないだろう。親友を大事にしようということが学べるのではないだろうか。
また、イラストが綺麗。リアルタッチな雰囲気で描かれているので、グロテスクな描写は目立つが、人物像は綺麗で見やすい。一人一人の表情、動きなどが見ていて楽しい。特に雨里に関しては甘いフェイスをしていていかにも女子に好かれそうだが、中々に下衆い表情を浮かべたり、冷たい視線で人を見たりするそのギャップに痺れる。
ストーリー展開も意外なところを突いてくるような内容。ここでそうなるのか、と驚くような展開が続くので次どうなるのかと気になる。読者を惹きつけるような展開運びが上手だな、と感じる。
4感まで発売中だが、単行本はもちろん、電子書籍も様々なサイトで配信中だ。スマホなどで気軽に読めるので是非一度読んでみてほしい。

じゃあ、君の代わりに殺そうか?
9

友情とホラーサスペンスが味わえます

典型的ないじめといっても、男子同士ってすごく過激な体を傷つけるようないじめをあんな平気でやるなんてと驚いた反面、ここからタイトル見たくなるにはどうするのだろうと思ってページをめくっているうちに、放送作家を目指してハガキ職人をやっている男子高校生の優馬が心を他に逃して必死に耐えていたいじめから助けてくれたのが、周りから好かれそうな好青年の雨里だったことで、嗚呼ここから友情の話なのかなと思って読んでいました。
けれど、一見救世主に見えた友人、雨里が一番危険な人物だったことが徐々に判明するのですごく面白い展開になってきました。いじめてきた西野たちから優馬を救うだけでなく、仲間をやり返して、西野を監禁しているなんて衝撃的な展開で少し怖くもなりました。それを優馬に教える時に見せた西野の指のシーンはゾッとしました。そこから優馬は怯えながらも、これからも雨里と友人でいたいから西野と話し合ってなんとか解決しようとしたら、西野は西野で怒り心頭で聞く耳持たず、縛られていた手錠を外して優馬に襲いかかってしまうことで、雨里に内緒で西野と話し合おうとしたことがバレてしまうなんて思ってもみなかったので、ここの話は本当にドキドキハラハラする展開でした。
これからどんどん地獄に落ちてしまう展開に怖くなりつつも面白いのでおすすめです。