きみにしか聞こえない

きみにしか聞こえないのレビュー・評価・感想

きみにしか聞こえない
9

せつなく儚い

理由があって話せなくなってしまった主人公相原リョウ(成海璃子)がケータイ電話を拾うと、電話が消えてしまいます。するとコールオンが頭から聞こえ耳に手を当てると頭のの電話をすることが出来るようになります。その電話相手が難聴でおもちゃ修理屋に勤める青年・野崎シンヤ(小出恵介)でした。
とにかく小出恵介さんの演技がピュアで青年の優しさがすごく伝わります。主人公はトラウマで声が出せない。青年は耳が聞こえない。そんな2人が頭の電話で出会い、心の距離が少しずつ近づく様子が素敵でした。若い2人が電話を通じて仲良くなったことで直接会ってみたいという気持ちになります。会う約束をし、待ち合わせ場所まで電話をしながら向かいますが…。
映画の途中で青年以外に頭の電話が繋がる女性原田さん(片瀬那奈)が現れます。その女性の正体が映画の最後に描かれています。映画を見終わった後はとにかく切ない気持ちになります。シンヤが最後に言う「君はひとりじゃない」という言葉に感動しました。
本作はDREAMS COME TRUEが主題歌を歌っています。タイトルは映画と同じで「君にしかきこえない」です。綺麗で美しい歌声で映画とリンクしていてより感動します。

きみにしか聞こえない
10

耳が聞こえない青年と内気な女子高生のラブストーリー

この映画は、2007年に公開された邦画で、小出恵介さんと成海璃子さんが演じる甘く切ないラブストーリーです。ドリームズカムトゥルーの主題歌もこの映画にマッチしています。主人公は過去のトラウマにより人付き合いが苦手な女子高校生のリョウと耳が聞こえず喋れないリサイクルショップに勤めるシンヤです。ある日、リョウはおもちゃの携帯電話を拾います。その後、おもちゃの携帯電話の呼び出し音が聞こえるようになります。電話に出るとシンヤでした。彼は喋れないはずなのに、その電話ではしゃべることができました。二人が通話を重ねるごとに、おもちゃの携帯は要らず、心の中だけで会話できることを知ります。また、二人の間には1時間の時差があることも知ります。
ある日、シンヤはリョウに電話デートを申し込みます。デートの行き先は鎌倉です。そのデートの最後の目的地はリサイクルショップで、そのショップにはあらかじめシンヤが預けていた中古のラジカセがありました。深夜は、リョウに声を吹き込んで送って欲しいと頼みます。シンヤはおばあちゃんにその吹き込まれた声を聞いてもらい手話で解説してもらい喜びました。
とうとう、シンヤとリョウは実際に会うことになります。しかし、その時に事件は起こるのです。待ち合わせの場所で、リョウは車に轢かれそうになるのです。それを助けたのがシンヤで彼は代わりに命を落としてしまいます。命を落とす前にシンヤは、手話をします。その時は、手話を知らないリョウは、意味がわかりませんでした。その時に、彼女はシンヤとの間に1時間の時差があることを思い出します。1時間前のシンヤに電話をして彼を助けようとします。しかし、結果は同じでした。リョウはシンヤの実家を訪れ、シンヤの祖母とあい、彼の最後の手話のメッセージが「君はひとりじゃない」という意味であったことを知ります。