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せつなく儚い
理由があって話せなくなってしまった主人公相原リョウ(成海璃子)がケータイ電話を拾うと、電話が消えてしまいます。するとコールオンが頭から聞こえ耳に手を当てると頭のの電話をすることが出来るようになります。その電話相手が難聴でおもちゃ修理屋に勤める青年・野崎シンヤ(小出恵介)でした。
とにかく小出恵介さんの演技がピュアで青年の優しさがすごく伝わります。主人公はトラウマで声が出せない。青年は耳が聞こえない。そんな2人が頭の電話で出会い、心の距離が少しずつ近づく様子が素敵でした。若い2人が電話を通じて仲良くなったことで直接会ってみたいという気持ちになります。会う約束をし、待ち合わせ場所まで電話をしながら向かいますが…。
映画の途中で青年以外に頭の電話が繋がる女性原田さん(片瀬那奈)が現れます。その女性の正体が映画の最後に描かれています。映画を見終わった後はとにかく切ない気持ちになります。シンヤが最後に言う「君はひとりじゃない」という言葉に感動しました。
本作はDREAMS COME TRUEが主題歌を歌っています。タイトルは映画と同じで「君にしかきこえない」です。綺麗で美しい歌声で映画とリンクしていてより感動します。