かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところのレビュー・評価・感想

かいじゅうたちのいるところ
7

怪獣たちが怖かった

わがまま放題の子どもが怪獣たちの森?に行ってしまい、怪獣たちの王様になるという話です。
私も子供を育てているので、マックスのわがまま放題の感じとか、ああ、子どもってそういうとこ、あるよねと思って見ていました。
怪獣たちは、マックスを食べようとしたり、予告で見たより乱暴者でした。予告編だとなんか癒し系みたいな感じのところを抜き出してるけど、機嫌が悪い時は怖いし、嫌な奴らでした。でも、怪獣って言ってるんだから、そういう性格の方が怪獣ぽいなと思います。
怪獣たちのビジュアルはちょっと作り物っぽい感じもするけど、なかなかキュートでした。なかなか手触りが良さそうでした。それに、これは不思議の国のアリスというか、クマのプーさんみたいな子供の想像上の友達の話のような感じもするので、作り物っぽくて、OKだと思います。
マックスは家でも王様で、ここでも王様になって、わがままし放題な立場になるのかなと思ってたら、他の怪獣たちを見て、うわーこいつらないなと、人の振り見て我が振り直せ的なことになってて、良かったです。やはり自分も同じ立場にならないと、なかなか自分の悪いところって気がつかないもんだもんなと思いました。
この映画の原作は絵本なんですね。絵本も読んでみたいです。

かいじゅうたちのいるところ
10

そのときの自分の心を映し出す鏡のような映画

9歳の少年マックスは自分は孤独なんだと思い込み、突然家出をしてしまいます。小舟で海を渡り、とある島へたどり着きます。かいじゅうたちが住んでいる島です。そこで、少年マックスは「王様」になります。ただ、「王様」は常にかいじゅうたちを何かに夢中にさせないといけませんし、かいじゅうでないことがバレてしまうと、かいじゅうに食べられてしまうのです。
大人が観るべき作品に仕上がっています。
かいじゅうたちは、自分の気持ちに素直に行動します。それぞれに孤独を抱えていたり、さりげなく誰かを思いやっていたり。楽しい時には思い切りはじけたり、悲しい時には涙を流すかいじゅうたち。思わず相手の気持ちを傷つけたり、傷ついたりもするかいじゅうたち。その中で大切なことに気づいていく少年マックス。
映画を観た後、どのかいじゅうの気持ちに自分の気持ちが近いのか、どのかいじゅうの気持ちが理解できないのか。よく考えてみてください。そのときの自分の心の在りようを俯瞰して考えることができますよ。どの場面が自分の心を傷づけるのか、どの場面が自分の心をホッとさせるのか、かいじゅうたちが観客の心を映し出す鏡になってくれます。嫌だなと思う自分の心に蓋をせずに是非向き合ってみてください。決して子供向けの映画ではない良質な作品です。