かいじゅうたちのいるところ

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かいじゅうたちのいるところ
10

そのときの自分の心を映し出す鏡のような映画

9歳の少年マックスは自分は孤独なんだと思い込み、突然家出をしてしまいます。小舟で海を渡り、とある島へたどり着きます。かいじゅうたちが住んでいる島です。そこで、少年マックスは「王様」になります。ただ、「王様」は常にかいじゅうたちを何かに夢中にさせないといけませんし、かいじゅうでないことがバレてしまうと、かいじゅうに食べられてしまうのです。
大人が観るべき作品に仕上がっています。
かいじゅうたちは、自分の気持ちに素直に行動します。それぞれに孤独を抱えていたり、さりげなく誰かを思いやっていたり。楽しい時には思い切りはじけたり、悲しい時には涙を流すかいじゅうたち。思わず相手の気持ちを傷つけたり、傷ついたりもするかいじゅうたち。その中で大切なことに気づいていく少年マックス。
映画を観た後、どのかいじゅうの気持ちに自分の気持ちが近いのか、どのかいじゅうの気持ちが理解できないのか。よく考えてみてください。そのときの自分の心の在りようを俯瞰して考えることができますよ。どの場面が自分の心を傷づけるのか、どの場面が自分の心をホッとさせるのか、かいじゅうたちが観客の心を映し出す鏡になってくれます。嫌だなと思う自分の心に蓋をせずに是非向き合ってみてください。決して子供向けの映画ではない良質な作品です。