十字架のろくにん

十字架のろくにんのレビュー・評価・感想

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十字架のろくにん
10

閲覧注意!過激な描写で描かれる壮絶な復讐劇

小学生の漆間俊が、いじめのグループ格「至極京」を中心として久我大地、円比呂、右代悠牙、千光寺克美から日常的に壮絶ないじめを受ける。ある時、至極京の計画により、漆間俊の両親が運転中に事故死、弟の翔は植物人間になってしまう。
おじいちゃんに引き取られる事となった漆間俊は、第二次世界大戦の秘密部隊に所属していたおじいちゃんの徹底的な指導を受け、高校生へと成長。漆間俊は至極京らへの復讐を始めるという物語である。
至極京以外の人物に対して拷問を行い、復讐を果たしていた漆間俊だが、その最中に至極京に1番大切なおじいちゃんと弟を殺されてしまう。そして漆間俊は警察に身柄を拘束され、懲役刑を言い渡される。
舞台は変わって第2章に入る。漆間俊は出所後、記憶喪失状態になっている。そこでたまたま出会った医者の北見高梧と川奈美々を加え、「ジューシカ」と名乗る団体で嘱託殺人を行うようになる。漆間俊は徐々に記憶を取り戻し、至極京の記憶までたどり着く。
そこから最終章となり、至極京への復讐の為、準備を始める。至極京も漆間俊が記憶を取り戻した事を知る。
漆間俊は1人で最後のリーダー至極京への復讐を行おうとするが、至極京は宗教を始めており、極めて危険な相手の復讐となりえる為、「ジュージカ」の2人と共に、復讐の準備を始めていく。

十字架のろくにん
8

この復讐は誰にも渡さない

「実験体A」と呼ばれる主人公漆間俊(うるま しゅん)。
彼の周りの5人は執拗に彼を痛めつけ、ある時は精神的に傷つけて楽しんでいた。
それは至極京(しごく きょう)が考える実験……どこまで追い詰めれば漆間は死ぬのか、のためだった。
ある日両親と弟を交通事故に故意に合わせた5人に漆間は復習を誓う。
彼は祖父に引き取られるが、その家屋の隣の小屋の奥で狩りに使っていた銃を見つける。
それを手にした漆間は5人を殺そうとするが祖父に見つかってしまう。
だが「そんなもので直ぐに死ぬ殺し方ではつまらん。本気で殺すならワシが教えてやる」と名乗りを上げたのだった……。
祖父は呉鎮守府第百特別陸戦隊、通称「北山部隊」に人の殺し方の全てを叩き込まれた軍人だったのだ。
直ぐに殺さず、苦しみながら死を懇願するだけの抜け殻にさせるすべを祖父は知っていた。漆間はその話……祖父の眼を信じる。
なぜならその眼は至極と同じ「殺すことに戸惑いのない眼」だったからだ……。
それから4年、漆間は同じ眼を持った何かになった。
ここから彼の復讐が始まる……というのがあらすじだが、何せ画力が凄い!グロいというのもあるが表情……眼の描き方が非常によく描けている。
心理描写としては、純粋だからこそ真っ直ぐに復讐へと向かう漆間の心の動きが素晴らしい。
アオハルしているのが気に食わないという読者もいるようですが、そこからの突き落としが酷い!
思わず主人公に感情移入してしまった。
グロいのに耐性ある方でサスペンス好きにはオススメ!

十字架のろくにん
7

好みがわかれる作品です

始まりから重い内容だけれど、読み進めていくと復讐をどうやって遂げていくのか気になります。
突然いじめられ、両親は事故死(事故死に見える他殺)、弟は寝たきりと絶望しかないそんな世界で復讐を誓う主人公。そして元軍人の祖父の元に身を置き、人の殺し方などを学んだ主人公は4年の歳月を経て高校生になり復讐の決行を決意する。元軍人の祖父からいったい何を学び、どういう心境で生きてきたのか、この後の復讐により明らかになっていきます。
こんないじめが身近でも起こりうるから恐ろしく、他人事ではないと感じました。
読んでいると胸が押しつぶされそうな気持ちだったり、スカッとする気持ちだったりでドキドキハラハラします。
そして5人の敵(いじめっ子)は誰も改心してないクズでした。キャラそれぞれのゲスさも見どころです。
タイトルが「十字架のろくにん」ってゆうのも、5人のいじめっことあと1人は誰を指しているのかこの後の展開に期待です。
好みは分かれるかもしれませんが、流血やグロシーン、胸糞悪い系が好きな方にはオススメです。
本編終わってからの四コマが面白くて笑いました。
祖父が可愛くってきっと好きになりますよ。
この後の展開で主人公家族が幸せになればいいなと願います。