マイ・ブルーベリー・ナイツ

マイ・ブルーベリー・ナイツのレビュー・評価・感想

マイ・ブルーベリー・ナイツ
8

ジュード・ロウがよい。

なんで、ブルーベリー・ナイツかというと、売れ残るブルーベリーパイがキーポイントだからです。果実パイって日本では馴染みがないけど、この映画を見て食べたくなりました。ジュード・ロウがすごくいいです。ただ、ただ優しい男で、ケーキとかほいほい作ってくれて、こんな男が欲しいと思いました。なんか、ノルウェイの森で、私がチョコレートケーキが欲しいっていったらすぐに買い直してくれる男がいいなって話があるけど、その男っぽい感じがしました。お洒落な雰囲気もあり、ノラ・ジョーンズの歌声にも魅了されます。それでいて、人生のほろ苦さも味わえる作品だなと思いました。最後のキスはせつないけど、あれがあって全てが思い出になってよかったねという感じがしました。別れはみんな経験することで仕方ないことだけど、なんでそんなことになったのか、自分を責めたり、いろいろ考え込んでしまったりする。でも、仕方ないものか仕方ないのだって思える作品ではあるのではないでしょうか。でも、好みが分かれる作品なんじゃないかなと思いました。時折流れるアイスの溶けた映像とか、なんか甘ったるい感じだし、おしゃれすぎて何かわからない感じもします。好きな人はとことん好き、そういう作品だと思います。

マイ・ブルーベリー・ナイツ
10

全ての悩める女子に見て欲しい

恋人の心変わりで失恋した主人公エリザベスが、失恋の痛手を癒すために選んだのは、自分を変えることだった。

失恋したエリザベスを慰めるのはとあるカフェのオーナー、ジェレミー。ジェレミーとエリザベスはお互い惹かれていく…まではよくある恋愛映画。この映画の面白い所は、主人公エリザベスがジェレミーと付き合うという誘惑を振り切って「自分を変える」ための旅に出るというところ。今の自分のままでは駄目だと、ジェレミーに連絡先さえ告げずに旅に出るエリザベスの潔さにしびれる。失恋した後は、心が弱くなっているからこそ誘惑に乗りがちで、そんな自分を自覚して、自分を変えることを選択したエリザベスのカッコよさに同性ながら惚れそうになった。
アルコール中毒の中年警察官と、離婚した妻。ギャンブル大好きな親子。旅の中で少し変わった人々に出会う中でエリザベスは成長していく。その過程が本当に美しい。映像や、会話の間までが絶妙で、綺麗と言わざるを得ない。淡々と過ぎていくように見えて、紡がれる言葉たちにどれもハッとさせられる。失恋を乗り越えて成長したエリザベスの言葉や姿に勇気をもらった。果たして最後エリザベスはどう変わり、どんな選択をするのか。ジェレミーとの恋の行方は?失恋したばっかりの人、今幸せな恋をしている人にも見て貰いたい。見た後に清々しい余韻があることは間違いない作品。